2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

トップページ | 2009年4月 »

2009年3月

2009年3月31日 (火)

考えるだけで操作できるロボット

 私たちが手や足を動かし運動する時には、必ず脳が活発に活動しています。

 そのため脳内では微弱な電流が発生したり、一部分の血流が増すなどの変化が起こっており、これを信号として取り出すことで、コンピュータなどの外部装置を動かそうという研究が進められています。

 こうした研究はブレイン・マシン・インターフェイス(Brain Machine InterfaceBMIと呼ばれています。日本では京都にあるATR(国際電気通信基礎技術研究所)が、BMI研究の第一線を突き進んでいるのですが、Honda、島津製作所とともに、考えられるだけでロボットを制御するBMI技術を開発したと発表しました(以下のURLHondaのリリース)。

 http://www.honda.co.jp/news/2009/c090331.html?from=whatsnew

 私がATRを取材させていただいたのは、昨年1月にJSTから発表された「世界初、サルの大脳日資質の活動により制御されるヒューマノイドロボットの二足歩行」(以下のJSTのリリースを参照ください)の記者会見にともなってものでしたが、このときはアメリカにいるサルの脳の活動を検出し、その情報をインターネットを通じて日本に送り、ATRにあるロボットを動かすというものでした。

 http://www.jst.go.jp/pr/info/info461/index.html

 この時のサルの脳活動の検出は、脳内に埋め込んだ電極によるものなのですが、今回の研究成果は人間を対象としているため、電極を埋め込むのは安易にできるものではありません。

 そのため脳波計(EEG)、近赤外光脳計測装置(NIRS)といった体内に検出装置を埋め込むことのない(非侵襲的な)検出方法が用いられており、脳波、脳血流量から、使用者の意志に応じてロボットを動かせるようです。

 ただし、脳波や脳血流量だけが検出信号となると、そんなに細かい指令を発するのは難しいでしょう。自由自在にロボットを動かそうとすれば、数多くの指令を脳活動の信号として検出できなければならないわけですが、それを脳波、脳血流量の変化だけで捉えられるとはちょっと考えにくい。

 そのためか、今回の研究成果では、あらかじめ設定された4つの選択肢(右手、左手、足、舌)のうちの1つを選び、使用者が、選んだ選択肢をイメージした時の脳活動のパターンを検出し、その結果からASIMOを動かすというシステムになっているようです。 

 使用者が「手」をイメージすれば、ASIMOの手が動くという具合のようですが、どのように動かすかまでは使用者には選べないようです。

 それよりも気になるのが、4つの選択肢に挙げられている舌を使用者がイメージしたら、ASIMOってどんな動きをするのかってこと。Hondaの本社や日本科学未来館で何度もASIMOを見たことがあるけど、舌ってあったっけ・・・。

 まぁ、そんなツッコミはともかくとして、非侵襲的な検出方法で外部装置を動かせたってことはすごいことです。リリースでも触れられているけれど、fMRIなどの大型装置を利用しないで脳の活動を検出できているという点も注目に値します。

 といってもEEGにしろ、NIRSにしろ、装置は大きなもの。将来的に四肢の不自由な人が、頭に装着して、考えるだけで車椅子を自由に操作するといった利用を考えると、検出装置の小型化は必須課題になるでしょう。EEGやNIRSを使うことで、「小型化できた」とするのでは、BMIの実用化はまだまだまだなのかなとも思えてしまいました。

トップページ | 2009年4月 »