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2009年4月13日 (月)

15年かけてオオサンショウウオの指が完全再生

 2年ほど前、タガメの取材のため姫路市立水族館に出向いたことがある。今、流行の水族館では定番になっている巨大な水槽はなく、こじんまりとした水族館ではあったが、小さな子供を連れたファミリーには人気があるのか、日曜日の取材ということもあって、館内はけっこう混雑していたことを覚えている。

 その姫路市立水族館で、約20年間、飼育されているオオサンショウウオについて、4月11日付の産経新聞が興味深いニュースを報じている。

 このオオサンショウウオは水族館生まれの個体で、5歳の時に仲間(同じオオサンショウウオなんだろうな)との喧嘩で、右前肢上腕骨の先が食いちぎられた。ただし、その後、約15年かけて、再生したと報じられているのだ。X線撮影したところ、4本の指の骨がすべて元通りになっていることも確かめられ、完全に再生したという。

 再生医療や細胞工学に詳しい方であれば、イモリには高い再生能力があり、四肢を欠損しても、骨まで元通りに再生することはご存知のことと思う。

 そのため、同じ有尾目に属するということだけで、不勉強にも、私は、オオサンショウウオの体にも同様の再生能力が備わっていると思っていた。ところが、産経新聞の記事によると、オオサンショウウオの四肢が再生したという報告はこれまでなかったという。再生能力はゼロではないにしても、失われた四肢を完全な形にまで再生することは稀だということなのだろう。

 ならば、なぜ、このオオサンショウウオは、失われた右前肢を完全に再生させることがきたのだろうか。

 産経新聞の記事では、オオサンショウウオの生態に詳しい、元姫路市立水族館館長の栃本武良氏の「条件さえよければ欠損した指が完全に再生されることがわかった」というコメントを紹介している。

 この「条件」は、餌が十分に与えられていることを指さしていると思うが(温度条件考えられるが・・・)、私が気になることは、餌が十分であるという環境条件が何に作用して、再生を促したのかってことだ。

 再生するかどうかは、その個体の体に、(1)多分化能と、(2)高い分裂能を有した細胞があるかどうかによって決まってくると思う。多分化能については、未分化の細胞、つまり、幹細胞が有無によって決まってくるのだろうが、高い分裂能については栄養が豊かかどうかが大きく影響するだろう。不死化して、無尽蔵に増えるはずのがん細胞でも、栄養が滞れば、細胞分裂のスピードは鈍化するわけで、栄養が豊富だからこそ、このオオサンショウウオも前肢を完全に再生することができたんじゃないか。

 だったら、オオサンショウウオの再生能力は環境次第で、コントロールできるとも考えられるだろう。

 つまり、環境条件一つで、再生するか、しないかが決まるなら、オオサンショウウオを実験材料に使えれば、がい再生するかどうかを決める何らかの因子を見つけることができるんじゃないかって期待をもってしまうのだが・・・。富栄養条件で四肢が再生できるようになったオオサンショウウオと、貧栄養条件で四肢が再生できなくしたオオサンショウウオで、細胞中の分子の発現を調べると、再生するかどうかを決定する因子が見つかったりするんじゃないかなんて考えちゃったわけだ。

 まぁ、軽々しく「実験材料」なんて言葉を使っているが、相手は国の天然記念物。イモリやアフリカツメガエルのように実験動物として扱うことは不可能だろうが、この産経新聞の記事に触れて、こんなことを考えてしまった・・・。

http://sankei.jp.msn.com/science/science/090411/scn0904111443002-n1.htm

 ではでは・・・。

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