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2009年4月12日 (日)

大阪大学がiPS研究センターを設立 再生医療への応用を目指して

 ここのところiPS細胞の実用化について、まずは創薬スクリーニングからになるってことを何度か書いてきた。

 そのこと自体は間違いはないと思うが、一方で10年後、20年後になってしまうかもしれないが、次世代の医療技術の発展を考えて、再生利用への応用を目指した研究にも十分な予算を配分してもらいたいと書いた。

 そういう意味では、今後の研究の進展に期待が膨らむ、一つの動きがあった。4月10日の毎日新聞が報じているのだが、大阪大学病院がiPS細胞の研究組織「ヒトiPS細胞臨床研究センター」を設立したのだ。

 毎日新聞によると、拡張性心筋症の患者の心筋細胞からiPS細胞を作り、遺伝子の異常と病気との関連を研究するようだ。糖尿病や肝臓病の患者から細胞の提供を受けて、iPS細胞を作成し、効率より肝臓、膵臓といった望みの臓器の細胞に分化させ、病気の原因解明を目指すという。

 う~ん、さすがに、iPS細胞から必要な臓器を作って患者の体に戻す再生医療の実現を目指しますとまでは言えないか・・・。まぁ、今、こんな宣言しても、理想の理想すぎで、現実味はないものなぁ。もちろん、研究者のみなさんは、それを目指しているのは間違いなんだろうけど・・・。

 ただ、このセンターの設立に関わっているのが、心臓血管外科の澤芳樹教授であることで、私の期待は大きく膨らんでしまうのである。

 残念ながら、私自身は、未だ澤教授を取材する機会に恵まれていないのだが、澤教授はマウスの細胞から作ったiPS細胞を心筋細胞に分化誘導し、心筋シートを作って、これを移植することで、心筋梗塞のマウスの心肺機能を回復させることに成功したという実績を持っている。これでは期待せずにはいられないってものだ。

 とはいえ、これまでiPS細胞の研究では、iPS細胞の産みの親である山中教授のいる京都大学はトップランナーであるのは言うまでもないとして、文部科学省が定めた中核拠点では京大のほか、東京大学、慶応義塾大学、理化学研究所が選ばれており、大阪大学は少し影が薄いという印象を持っていた(失礼を承知書かせていただいています。すみません)。

 もちろん、拡張性心筋症の治療を目的としたiPS細胞を使った再生医療を目指した研究を進めていることは、去年から紹介されているのを見たことはあるが、こうしてセンターを設立したことで、研究をより加速していってもらいたい。

 以前にも書いたことだが、創薬スクリーニングでも、iPS細胞を実用化できたということは、実に意義深いことだといえる。

 しかし、山中教授が臨床医を辞めて、研究者になったのは、真に患者を治せる治療技術を確立したいという想いがあったからだということを考えると、やはり再生医療としての実用化を願うばかりだ。

 創薬スクリーニングであっても、患者を治すための新薬の開発の一助になることは十分に理解しているが、新薬の開発であれば、iPS細胞がなければ何もすすまないというわけではないだろう。ならば、iPS細胞なくては始まらない、患者自身の細胞を使った再生医療という理想に向けて、がんばっていってもらいたい。

 今回の大阪大学病院でのセンター設立の報を受けて、今一度、そんなことをかんがえてみた。

毎日新聞の記事

http://mainichi.jp/select/science/news/20090410k0000m040160000c.html

2009年1月24日の日経の記事

http://health.nikkei.co.jp/news/med/index.cfm?i=2009012405276hb

 今回は、ちょっと熱くなってしまいました。すみません。

 ではでは・・・。

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