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2009年4月30日 (木)

観察結果だけの研究成果には、物足りなさを感じてしまうのだが・・・

 ライフサイエンスのテクノロジーが進歩したことで、PCRやシーケンサーなど研究ツールもコストダウンできたこともあって、かつては比較的、予算が潤沢な医学部系の研究室にしか設置されていなかった装置が、理学系、農学系の研究室でも見かけられるようになった。

 そのため、動物学、植物学関連の学会大会を覗いても、遺伝子解析結果などの研究成果の発表を見かけることが多くなったのだが、逆に観察結果だけを成果として発表されても、いささか物足りなさを感じてしまうようになったのも否めぬ事実だ。

 そんなことを感じさせる研究成果が、ナショナル・ジオグラフィック・ニュースが報じているので、この記事をネタに動物学の“今”を考えてみたい。

 「科学者も驚くクモの“蘇生”能力」のタイトルからもわかるように、瀕死状態に陥らせたクモが蘇生するってことを紹介している(※英語のタイトルは「Spider “Resurrections” Take Scientists by Surprise」。直訳ですね)。

 フランスのレンヌ大学の研究チームが、クモの種類ごとに120匹のメスを集め、これを海水に沈めて、2時間おきにブラシでつついて、反応を確認。そして、観察によって溺死したと思われる個体は、体重測定のため乾燥させたが、その過程で、蘇生した個体が現れたというのだ(蘇生率については紹介されていない)。

 このこと自体、面白い話題ではあるんだけど、どういうメカニズムで蘇生できたのか明らかにしていないのは、ちょっと物足りなさを感じてしまう。いちおう、呼吸を必要としない代謝プロセスに切り替えて、生き残るすべをもっているのではないかとの推測も記事では触れているんだが、だったら、具体的に呼吸を必要としない代謝プロセスとはどういったものなのかまで踏み込んだ研究を行ってから、発表したほうがいいんじゃないだろうか。

 記事によると、この研究のリーダーを務めたのは、ベルギーのヘント大学のクモ学者(arachnologist)のようで観察を中心とした古典的な生物学のアプローチで研究を進めるタイプの人だろうから、細かい分子機序まで求めるのは酷かもしれないが、「科学者も驚く」ほどの組成能力だって言うのなら、それを可能にしている分子機序まで踏み込んで解明してもらいたいと思ってしまった。

 10年ぐらいまでまでなら、この研究成果に物足らなさを感じることはなかったかもしれないが、ライフサイエンスの様々な研究ツールが、多くの研究室に普及するようになると、やはり、観察結果だけを発表されても、物足りなさを感じてしまうのである。

 まぁ、クモの蘇生能力の背景にある分子機序の解明は、今回の石灰を発表した研究グループにとっても、今後の課題であるかもしれないので、今後の発表にも注目することにしようか・・・。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=86990066&expand

http://news.nationalgeographic.com/news/2009/04/090424-spider-resurrection-coma-drowning.html

 ではでは・・・。

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