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2009年6月16日 (火)

生物多様性をかく乱しているのは外来生物だけじゃないんだけどなぁ

 外来生物法関連でブラックバス論議が活発だった頃、新聞やテレビといった、いわゆる“マスメディア”でも外来生物の問題はよく紹介されていた。しかし、外来生物法が制定されて以降、紹介すべき新たなニュースはないと判断されているのか、マスメディアで外来生物の問題はあまり紹介されていない。

 ところが、6月9日付の中日新聞に、外来種の問題を報じる記事があった。記事自体は、5月22日が国連が定めた「国際生物多様性の日」であったことと、来年、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が、名古屋で開催されるということで、地元の中日新聞が記事にしたんだろうが、つい「なんか久しぶりのテーマだな」と思ってしまったので、このブログでも、外来生物問題に触れてみたい。

 記事の詳細については、以下のサイトをご覧いただくとして、大まかな内容を紹介しておくと、外来生物によって日本の生態系がかく乱されるよ・・・っていう、スタンダードな外来生物論の展開に終始しているのだが、この記事で目立つのが、「多様性」という言葉だ。記事のタイトルにも盛り込まれているし、記事の後半「記者のつぶやき」と題されたコーナー(といっていいのかな?)でも、「生物多様性は浸透度が低いが、重要なテーマだ」と述べている。

 だけどね、生物多様性の問題を指摘するなら、その原因を外来生物だけに求めるのはちょっと視野が狭すぎるだろう。

 もちろん、無秩序な外来生物の持ち込みが大きな問題であるのは間違いないし、生態系をかく乱し、近縁の在来種がいれば、交雑による遺伝子汚染のリスクも見逃せない。ただし、こうした問題が外国から持ち込まれた生物だけでなく、国内移入種でも起こることがある。その点がまったく触れられていない点には大いに不満を感じてしまう。

 まぁ、移入種による生物多様性のかく乱問題となると、その原因が外来種に集約されてしまうのは、この記事に限った話ではないので、この記事だけをあげつらうのはアンフェアだと思うので、以下は一般論として読んでもらいたいのだが、生物多様性の問題を語る上で、国内移入種の存在はあまりにも無視されているのではないか。

 例えば、毎年6月になると、各地の川でアユの友釣りが解禁になるが、天然のアユだけで押し寄せる太公望に楽しんでもらえるだけの釣果を期待することは難しい。そのため、ほとんどの川(遊魚料を取っている川なら「すべての川」といってもいいだろう)で、稚アユの放流が行われている。

 では、その稚アユはどこから来るのかといえば、かつてはかなりの割合(7割を占めていたという)で琵琶湖産のものが放流されていた。最近でこそ、琵琶湖産の稚アユの放流は激減したというのが、それでも同一水系のものに限って放流している河川って聞いたことがない(もし、生物多様性の保全を意識した同一水系の稚アユしか放流していないって川があったらご教授願いたい)。

 日本全国、同じアユなんだから問題はないだろうと思われるかもしれないが、遺伝的に水系分化が少しは進んでいる可能性は否定できない以上、琵琶湖産の稚アユが各地で放流されることは、生物多様性をかく乱することになるだろう。

 同じことは、渓流釣りの対象魚種となっているイワナでも言えるのだが、長々と書き連れらねてしまったので、イワナのことは、また別の機会に譲るが、生物多様性を保全しておこうとすると、外来種だけを問題視しても、不十分であることは間違いない。

 というわけで、今回は、久々に外来種問題の記事を新聞で読む機会があったので、思うままに書いてみた。

http://www.chunichi.co.jp/article/technology/science/CK2009060902000127.html

 ではでは・・・。

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