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2009年8月20日 (木)

下水処理水に含まれる微量タミフルで耐性ウイルスになる?

 従来、ウイルスが薬剤耐性を獲得するのは、抗ウイルス剤を投与された患者の体内で生き残ったものが薬剤に対する耐性を獲得したからだと考えられてきたわけですよね。でも、そうした考えとはちょっと異なるメカニズムでウイルスが薬剤耐性を獲得するかもしれないという可能性を、京都大学の研究者が示唆しているとの話題を、読売新聞が報じています。

 詳しくは以下のサイトの記事をご覧いただきたいのですが、研究成果を発表したのは京都大学流域圏総合環境質研究センターの田中弘明教授と、博士課程3年のゴッシュ・ゴパールさんの研究グループは、インフルエンザの特効薬として使用されるタミフルが、服用した量の約80%がそのまま対外に排泄されていることに注目。下水処理水に含まれるタミフル濃度を測定したところ、最も高濃度であった時には下水処理水1リットル中に約300ナノグラムもあったことから、タミフルを含む下水処理水が河川に排出され、インフルエンザウイルスが感染した水禽がタミフルを含む水を飲みこむことにより、水禽の中でインフルエンザウイルスがタミフルに対する薬剤耐性を獲得するのではないかと指摘しているのです。

 実に興味深い指摘ではあるんだけど、こうした仕組みで、インフルエンザウイルスがタミフル耐性を獲得し、それが流行株になるってことは本当にあり得るのかって疑問を感じてしまいました。

 というのも、環境中に放出されたタミフルに曝されることで、インフルエンザウイルスがタミフル耐性を獲得する場となるのは水禽の体内なわけでしょう。だったら、そのウイルスも水禽に感染しやすいものなわけだから、それがすぐに人間に感染するってことはないわけですよね。

 水禽の体内でタミフル耐性を獲得したウイルスが、ブタに感染して、ブタの体内で人間に感染するウイルスとハイブリッドを起こして、人間に感染するウイルスがタミフル耐性を獲得する可能性は否定しきれないけれど、そのリスクってどれほどのものなんでしょうか。そんなふうに考えると、今回、提唱された仕組みで、インフルエンザウイルスがタミフル耐性を獲得し、それが流行して社会がパニックになる確率はすごく低いように思うんですが・・・。だって、こんなことが起こるなら、人間の体内に感染しているウイルスがタミフル耐性になって脅威になるほうが確率的にずっと高いわけでしょう。

 それに、記事では、沈殿処理した下水を浄化する標準的な処理ではタミフルを40%以下しか除去できなかったものの、オゾン処理を行えば90%は処理できるとも紹介しています。だったら、オゾン処理を行えば、問題ではなくなるって考えてもいいのかもしれませんね。でも、河川水中の濃度が最大約200ナノグラム/リットルだとも紹介されていますが、けっこう高い数値ですね。この点はちょっと気になるのなぁ。

 ですから、タミフル耐性を獲得するかどうかはともかく、人工の化学物質が環境中に放出されることはいいことではないので、できればオゾン処理を導入してもらってタミフルを無害化処理(といっていいのかな?)してもらいたいものですよ。

http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090815-OYO1T00311.htm?from=main2

 ではでは・・・。

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