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2009年10月

2009年10月27日 (火)

テレビ朝日のiPS細胞特番、ご覧になられました?

 みなさん、25日に放送された「人体再生~iPS細胞山中博士の挑戦」(テレビ朝日系)をご覧になられましたか?

 私が記憶してる限りでは、iPS細胞のことを直球勝負で扱った民放の番組って、これが初めてだったのではないでしょうか。まぁ、ニュース番組の中で短く紹介されることはあったとは思いますが、今回は1時半半の特番ですからね。これほどのボリュームの番組はなかったでしょう。

 私自身、テレビの科学番組の制作にも、時々、関わっているのですが(この番組には関わっていません。宣伝じゃないですよぉ)、実はライフサイエンスの話題って、ディレクター、プロデューサーたち制作人からあまり受けががよくないんですよ。

 というのも、ライフサイエンスの話題って、説明が難解になりがち、撮影できる画が派手じゃない(細胞の顕微鏡映像じゃ画に迫力はありませんからね)、原理説明でCGを多用しないといけない・・・などなどの要因が関わって、遺伝子だとか、細胞工学だとかっていう話題での番組制作は敬遠されてしまうんです(あくまでも私が経験に基づくものですが・・・)。

 ですから、たとえ再生医療を扱うとなっても、最先端のiPS細胞の話題よりも、皮膚から皮膚を大量に培養するといった、すでに実用化段階にあるものを紹介することになるというわけです。実用化段階にあれば、培養された組織の画を撮れますし、その医療で助けられた人の話も聞けますから、画的には多少派手になるってわけです。

 で、今回の場合は、製薬会社の一社提供ということで、スポンサーの意向も受けてのことなのか、iPS細胞で全面展開の番組となったのかもしれません。それに、時期的に、山中教授がノーベル賞を受賞するかも・・・という想定も少しはあったんじゃないかなって思ってしまうのは、私だけではないんじゃないでしょうか。

 では、その内容ですが、実に良心的な内容だったと思いますよ。

 さすがに、どんな知識レベルの視聴者でも見られるようにと、山中4ファクターの遺伝子名は紹介されていなかったのですが(いきなり、Klf4とか、c-Mycとかって紹介してもチンプンカンプンですからね)、山中4ファクターを探すために、24の遺伝子を導入して、1つずつ減らして、皮膚の細胞を脱分化させるために重要な遺伝子を探していくという手法については丁寧に紹介しておりました。

 というわけで、こういう番組が民放でももっと増えるといいんですが、やっぱりiPS細胞というブレイクスルーがあってこその番組ってことなんでしょうかねぇ。

 地上波の放送を見流した方も、31日にBS朝日で再放送されますので、BSデジタル放送見られる方は、ぜひご覧ください。

http://www.tv-asahi.co.jp/taisho-ips/

 ではでは・・・。

2009年10月22日 (木)

メディカルバイオ2009年11月号で記事を書きました

 メディカル・バイオ(オーム社発行)の2009年11月号で記事を書きました。

 今回は、2件の記事を書いておりまして、1件は新型インフルエンザに関連した記事で、北海道大学の高田礼人教授にインタビューして、北大で進められているインフルエンザウイルス抗体ラブラリーの概要について語っていただいております。

 もう1件は、先駆的なライフサイエンスの研究者を紹介する連載「プレカーサー」でして、大阪大学の松崎典弥助教にご登場願い、松崎助教が進めている、再生医療への応用を目指した三次元立体組織の構築技術を紹介しております。

 機会がありましたら、ご一読いただければと思います。

http://www.ohmsha.co.jp/medicalbio/

 ではでは・・・。

2009年10月21日 (水)

オタマジャクシの尾がなくなる理由はアポトーシスじゃなかった

 個体発生の初期に体が形作られていく過程で、不必要な部分が失われるのは、これまでアポトーシス(プログラム細胞死)によるものと紹介されてきたわけですが、オタマジャクシの尾がなくなることについてはまったく異なる研究成果が発表されましたので、このブログでも触れておきましょう。

 この研究成果は、新潟大学の井筒ゆみ助教らの研究グループが、アメリカ科学アカデミー紀要(PNAS)に発表したもので、毎日新聞が紹介しています。ですから、詳しくは以下のサイトをご覧いただきたいのですが、まず井筒助教らは、アフリカツメガエルの成体に、遺伝的にはまったく同じオタマジャクシの尾の皮膚を移植したところ、免疫反応により拒絶されてしまったというんですよ。

 遺伝的に同じなら、免疫的に拒絶されるはずはないんだけど、現実に拒絶されてしまったいうことは、カエルの成体にとって、自身の(遺伝子的に同じものの)組織であっても、免疫で拒絶される対象だと言えるわけですね。

 この移植実験を繰り返し、カエルの体内に、オタマジャクシの尾の皮膚に対する抗体を作らせ、その抗体が標的となる高原の遺伝子2種類を特定したところ、いずれもオタマジャクシの皮膚にある未知のタンパク質でした。

 さらに、このタンパク質の発現状況を調べると、生後30日目頃からは尾だけで発現し、50日目になると、その発現量は最大になり、約60日目に消失したとのこと。アフリカツメガエルの場合、約60日目に成体になるということなので、このタンパク質の発現により、尾の部分だけ、自己中の非自己状態にして免疫拒絶を誘導したと理解できますね。

 いやいや実に面白い研究成果じゃないですか。というより、これってかなりの大発見じゃないですか。これまでオタマジャクシの尾がなくなるのは、アポトーシスによるものと紹介され続けてきただけに、これまでの常識を打ち破る研究成果といえますよね。

 ところがですよ。この研究成果を報道している新聞は、私が確認した限り、以下の毎日新聞だけなんです。Googleの検索でも、毎日新聞の記事しかヒットしませんでした。

 まぁ、直接、医療技術につながるような話題ではないので、一般紙はスルーしてしまうのかもしれないけれど、研究成果の重要性からすれば、紹介してしかるべきだと思うんですけどねぇ。

http://www.pnas.org/content/early/2009/10/13/0708837106

http://mainichi.jp/select/science/news/20091021k0000e040051000c.html

 ではでは・・・。

2009年10月20日 (火)

概算要求見直しでで科研費の新規募集を一部停止

 最先端研究開発支援プログラムについては、若手研究者への支援枠が決まり、肯定的に評価させてもらったわけですが、一方で科研費の新規募集課題の公募が一部停止になったようですね。

 詳細については、日本学術振興会のウェブサイトをご覧いただきたいのですが、「新学術領域研究(研究課題提案型)」、「若手研究(S)」の公募の停止が決まりました。

 若手研究(S)っていうのは、42歳以下の研究者が1人で行う研究で、期間は5年。おおむね3000万円以上、1億円程度までが助成される支援枠なので、これが停止されて、最先端研究開発支援プログラムで若手研究者を対象とした追加公募が行われるということは、結果的に枠組みが変わっただけだともいえるかもしれません。

 ただし、最先端研究開発支援プログラムは比較的出口が見える(実用化像が見える)研究であったわけですよね。9月に採択された研究プランの中には、ダークマターの研究のような基礎研究に対しても支援されることが決まっていますが、元々、経済振興策として、研究費の公的助成を求めた、経団連の提言を受けて始まった支援制度だけに、基礎的な研究も支援してきた科研費とは性質的に違うものと言えるでしょう。

 となると、公募が停止された若手研究(S)で、支援されるであろう若手研究者が、最先端研究開発支援プログラムで支援されるようになるのかどうか・・・。この点が気になります。

 ですから、昨日は肯定的に評価させてもらいましたが、う~ん、撤回しないといけないかなぁって考えたりもしています。

 そこで、ぜひ聞いてみたいのが、民主党の科学技術政策ですよ。

 公立高校の無償化からもわかるように、民主党は中等教育に対しては手厚い支援を行おうとしているようですが、10年後、20年後の日本の国力は、科学研究をいかに支援したかによって決まってくるだけに、将来に向けた成長戦略として民主党の方針を知りたいところなんですよ。でも、これまでのところそういった政策表明はないままになっていますよねぇ。

 概算要求が95億円を超えて、税収も40兆円を下回りそうだということなので、無い袖は振れないのはわかりますが、科研費の一部の公募を停止する影響をどう考慮しているのか・・・。説明責任はあると思いますよ。

http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/06_jsps_info/g_091016_2/data/tsuchui.pdf

 今回、公募が停止される「新学術領域研究(研究課題提案型)」、「若手研究(S)」の詳細については、科研費のパンフレット(以下、PDF)の3ページ目をご覧ください。

http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/24_pamph/data/pamph2009.pdf

 ではでは・・・。

2009年10月19日 (月)

iPS細胞の培養効率が200倍に向上。培養期間も半減できた

 このブログで何度となく紹介してきたiPS細胞の作製効率を高める研究ですが、アメリカのスクリップス研究所のシェン・ディンの研究グループが、作製効率を大幅に高めることに成功したようです。

 詳しくは以下の読売新聞の記事をチェックしていただきたいのですが、以前にもご紹介した通り、シェン・ディンの研究グループは、遺伝子導入ではなく、タンパク質導入によってiPS細胞を作製する技術の開発を進めていました。

 ただし、この方法だと作製効率が大きく落ち込んでしまうことが、iPS細胞を活用した再生医療を実用化していく上で問題だったわけですが、細胞表面にある、ある種のタンパク質の中に、iPS細胞をできにくくする作用を持っている(つまり、脱分化を阻害するってことか?)ものがあることに注目。これら(読売新聞では複数形で書かれてますね)のタンパク質の働きを阻害する化合物を加えつつ、4種類の遺伝子(山中4因子でしょうね)を導入すると、従来の方法ではシャーレ1枚あたり数個しかできなかったiPS細胞が数百個もできたというのです。数個しかできなかったのに、数百個できるよになったので、効率は約200倍も高められ、培養期間も短縮できたとのことです。

 まぁ、作製効率が高められたので、注目に値するニュースではありますが、これまで安全性を向上させるために、タンパク質を導入する方法の開発を進めていたシェン・ディンが遺伝子導入で、効率向上に成功したっていうのことは、タンパク質導入に固執していては、効率の向上は難しいと判断されたんでしょうか・・・。この点が気になりますねぇ。

 ジャーナル名は明記されていないんだけど、読売新聞の記事では「専門誌」に論文を発表したようなので、ネットでアブストラクトを探してみようかな。

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20091019-OYT8T00702.htm

 ではでは・・・。

最先端研究開発支援プログラム 追加で配分先を公募するようですね

 先ほど、最先端研究開発支援プログラムが減額されるとの報道に関連して、若手研究者、女性研究者に新たに配分するという件で、追加募集するかどうか紹介されていないって書いてしまいますが、科学技術振興機構(JST)のサイエンス・ポータルで配分先を追加公募することが紹介されておりました。

 いつもサイエンス・ポータルはチェックしておるのですが、ここ数日、覗いていなかったら、こんなことになってしまいまして、いやいや申し訳ないです。すみません・・・・。

 で、具体的にどのようなプロセスで公募するのかまでは紹介されておりませんが、この点については近いうちに発表されるのでしょう。

http://scienceportal.jp/news/daily/0910/0910092.html

 ではでは・・・。

最先端研究開発支援プログラムの予算減額!

 ここのところ今年度の補正予算の見直し論議が頻繁に報道されていたので、内閣府が進めていた最先端研究開発支援プログラムの動向も気になっておったのですが、やはり減額されたようです。

 以下の毎日新聞の記事によると、当初5年間で総額2700億円を30人の代表研究者に分配するところが、1200億円減額い、総額1500億円にすることが決まったというのですよ。補正予算を見直しをして、民主党が進めようとする政策に充てるため、3兆円の減額を目指していたことを考えると、1200億円の減額はやむなしというところなのかもしれませんね。

 ただし、すでに採択が決まっていた研究代表者30人に対して再選考するってことはなさそうですね。これまでの報道では、民主党の鈴木寛参議院議員(文部科学副大臣)が再選考を示唆する発言をしていたようなので、中には「採択取消!」なんて憂き目にあう研究者もいるんじゃないかと危惧していたのですが、これは避けられたようですね。

 といっても、30人の代表研究者に、1500億円がそのまま分配されるってわけではなく、採択済みの研究者には1000億円が分配され、残りの500億円は若手研究者、女性研究者に割り当てるとのこと。これはいいことだと思いますよ。

 私は当初から、1人90億円なんて巨額を投じるよりも、もっと少額でもいいから(といっても、若手研究者からすればビッグバジェットになるんでしょうね)、斬新でチャレンジングな研究プランを持っている若い研究者に投資していくことも必要だと考えていたので、今回の方針転換は大いに評価したいですね。

 これまで、このプログラムは研究期間が3年以上、5年以内に定められていたわけですが、チャレンジングな研究プランなら、実際に動かしてみて、達成が難しいと判断されれば、1年でも2年でも短期間で打ち切ればいいんです。ただ、やらせてみないことには実現可能かどうかわからない案件もあるでしょうから、そこは財布の紐を緩めて、若い意気込みに投資していくっていうのもいいと思うわけですよ。

 じゃ、この若手研究者、女性研究者に振り分けの選考はどうなるかですが、今後、どのように進められるのか紹介されていないのが気になります。

 というわけで、先ほど、このプログラムのウェブサイトを覗いてみましたが、特にアナウンスはないままでした。再募集のアナウンスがないということは、これまでに応募の中から復活採択ってこともありえるのかもしれないけれど、若手研究者、女性研究者に新たな門戸を開こうとするなら、新たに応募してみようかと思う研究者もいるでしょうから、これまでの応募の中から選ぼうなんてことをせず、新たに募集した方がいいと思うんですが、このあたりはどうなるんでしょうか。早めにアナウンスしてもらいたいものです。

 で、新たに選考するなら、これまでの選考で一部から批判があった、駆け込み採択みたいなことはせず、しっかり研究プランを吟味して、誰もが納得できる採択にしてもらいたいですね。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091017ddm002010078000c.html

 ではでは・・・・。

2009年10月17日 (土)

太陽系9番目の「惑星X」は見つかるか?!

 最先端の天体観測というと、数十億年離れた遠くの恒星系を観測したり、太陽系外の惑星を探索するといったイメージを持っていて、身近な太陽系内については、ほとんど観測は終了しているものと思っていました。

 ところが、そんなイメージを払拭する記事が、読売新聞に掲載されていましたので紹介させていただこうかと思います。

 いつものことながら詳しくは以下の記事をご覧いただきたいのですが、神戸大学の向井正名誉教授と、研究員だったパトリック・ソフィア・リカフィ博士(現・近畿大学助教)が、理論計算によって海王星の外側を回る太陽系9番目の「惑星X」の存在を予測。その惑星Xを見つけ出そうとする探査計画が、今秋から国内外2か所の天文台で始動するというのですよ。

 といっても、惑星Xの詳しい軌道や位置は明らかになっていないため、探査する範囲は非常に広いものになると予測されます。しかも、明るさも14~20等級程度と推定されており、これを探し出すことは非常に難しいでしょう。

 それでも、向井教授らの研究グループは、東京大学の木曾観測所と、アメリカ・ハワイ州マウイ島にある望遠鏡PS1を用いて観測を始めたというのですよ。特に注目すべきはハワイにあるPS1でして、1ヶ月程度でハワイから観測できる24等級までの全天体をくまなく観測できるだけの能力を有しているとのことです。いやぁ~、すごいですね。

 発見できれば天文学史上に残る大発見なだけに、ついつい期待が膨らんでしまいますね。

http://www.yomiuri.co.jp/space/news/20091005-OYT1T00665.htm

 惑星Xについて、さらに詳しく知りたいという方は以下のサイトをご参照ください。また、昨年の12月には講談社から、『太陽系に未知の「惑星X」が存在する!』という新書が発行されております。併せてお読みいただければと思います(え~っと、私はこの本には関わっておりません。宣伝じゃないですよ)。

http://www.planet.sci.kobe-u.ac.jp/news/news.html#2008.2.18

http://www.cps-jp.org/pub/cps/press080228_j.html

http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=272545

 また、PS1については、以下のサイトをご参照ください。

http://www.ps1sc.org/

 ではでは・・・。

本日(17日)はJAXAの筑波宇宙センターの一般公開日です!

 ご紹介が当日の深夜になってしまいましたが、本日(17日)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センターの一般公開日です。

 常設の見学施設に加え、一部の研究室を開放しておりますので、宇宙ファン、ロケットファンには必見のイベントですよ。宇宙ファン、ロケットファンなら、すでにご存じでしょうか・・・。ならば、宇宙ファン、ロケットファン以外にもお勧めですよ。

 水ロケットの打ち上げ体験ができる教室も開催されていますが、毎回、長ぁ~い行列ができますので、是が非でも参加したいという方は早めの出撃をお勧めします。

 うちの子供もいつも参加したがっているのですが、行列に並ぶのは苦手な父親をもったことの不幸ということで、あきらめさせております(苦笑)。

 というわけで、今度、水ロケットのキットでも買ってやろうかな・・・。

http://www.jaxa.jp/visit/tsukuba/index_j.html

 ではでは・・・。

2009年10月16日 (金)

恐竜の3分の1の種は存在していなかった?

 現生の生物であれば、形態を詳しく調べるほか、遺伝子を比較検討できるので、種の同定は高い精度でできるようになっていますよね。しかし、断片的な化石資料しか調べられない恐竜が相手となると、種の同定はけっこう難しいんじゃないかと思うんですが、ナショナル・ジオグラフィック・ニュースに興味深い記事が掲載されていましたのでご紹介したいと思います。

 詳しくは以下のナショナル・ジオグラフィック・ニュースのウェブサイトをご覧いただきたいのですが、UCバークレーのマーク・グッドウィン氏とモンタナ州立大学のジャック・ホーナー氏が、これまでに報告されているすべての恐竜のうち、実に3分の1は実在しんかったと論じているというんですよ。

 その理由は、子供の頃の恐竜は、現生の鳥類などと応用に、身体が劇的に変化しながら成長するためのようでしt、例えば、ティラノサウルス・レックスの亜種などは、若齢個体の化石が別種の化石と誤認された結果、新種として報告されたんじゃないかと、両氏は指摘しているようです。

 そうした誤認の典型例として記事で紹介されているのが、、ナノティラヌスという恐竜でして、当初は小型のティラノサウルス類だと考えられていたものの、現在ではティラノサウルス・レックスの若齢個体だと考える研究者が多いのとこと。

 それで、これまでに報告されている恐竜のすべての種の3分の1は、新種と誤認された結果なのではないかということなんですが、3分の1にも上るかどうかはともかく、相当数は誤認された結果の新種だったってことは十分にあり得ることでしょうね。

 例えば、私が子供の頃にあった恐竜の図鑑で、必ず紹介されていたブロントサウルスって、今ではアパトサウルスと同種だってことになっていますよね。この場合は研究者の功名心というか、化石発掘競争が激しかったため、二人の研究者が同種の恐竜を、それぞれに新種として報告した結果、起こってしまったことなわけですが、研究者にとって新種を報告することは、自身の名前を後世に残すことになるだけに、新種として発表したいという想いが先走り、既知の種を新種と誤認して報告してしまったことは他にもたくさんあるんじゃないですかねぇ。

 ならば、今後、新種と判断したことは間違いだと判明することがあっ不思議じゃないでしょう。

 でも、知り合いの研究者が報告した新種を、新種じゃないって指摘するのってなかなかやりにくいことなんじゃないかなぁ~。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=49978166&expand

 ブロントサウルスとアパトサウルスの件については、Wikipediaで詳しく紹介されておりますので併せてご覧ください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B9

 ではでは・・・。

2009年10月13日 (火)

「子供の科学」2009年11月号に記事を書きました

 皆様、いつも閲覧、ありがとうございます。

 さて、先日のJSTニュースのご紹介に続いて、今回もちょっと宣伝をば・・・。

 誠文堂新光社発行の「子供の科学」2009年11月号で記事を書きました。

 まず、品種改良に関する特集を担当しておりまして、「品種改良によってどのような農作物が作られてきたのか」、「どのようにして品種改良をしてきたのか」などをわかりやすく紹介しております。

 もう一件、新型インフルエンザについても原稿を書いておりまして、「夏に流行したのなぜ?」、「子供や若い人に多く感染しているのはなぜ?」、「うがいは予防に効果あり?」などの疑問に答える形の記事を作製させていただきました。

 機会がありましたら、ご一読いただければ幸甚です。

http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=2455

 ではでは・・・。

2009年10月 9日 (金)

JSTニュース2009年10月号で記事を書いております

 発行されてから数日経っておりますが、JSTニュースの2009年10月号で記事を書いておりますので、ご紹介させちただきます。

 今回のテーマは“免疫リプログラミング”です。

 リプログラミングというと、分化した細胞を脱分化させることを想起される方も多くいらっしゃるかと思いますが、成熟した免疫担当細胞も、未分化な免疫担当細胞が分化した結果ですから、免疫担当細胞の分化の仕組みが明らかになり、自由に脱分化させることができるようになれば、さまざまな免疫疾患を治療できるのではないかという考え方の研究を紹介しています。

 印刷物のJSTニュースは、全国の博物館、科学館で配布しているようですが、以下のウェブサイトでも読めますので、ご一読いただければ幸甚です。

http://www.jst.go.jp/pr/jst-news/2009/2009-10/page08.html

 ではでは・・・。

2009年10月 8日 (木)

タミフル耐性の新型ウイルス ヒト-ヒト感染の可能性が示唆される

 気温が低く、空気が乾燥した冬場に流行するインフルエンザですが、新型インフルエンザの場合、誰も免疫を持っていないために8月から流行し始め、国立感染症研究所の推定では、9月14日から20日までの1週間だけで、27万人が感染したとされています。

 こうなってくると、インフルエンザの治療のために相当量の抗ウイルス薬のタミフルが処方されることになると思うのですが、そこで心配になってくるのが、タミフル耐性ウイルスの出現です。

 これまでにもタミフル耐性ウイルスは、デンマーク、大阪、山口で出現したと報告されてるわけですが、これまでは特定の患者から採取されたウイルスがタミフル耐性を獲得していたとうだけで、耐性ウイルスがヒトからヒトへと感染して流行株になってはいなかったわけです。

 ところが、以下の産経新聞の記事によると、札幌市内の医療機関を受診した10代の女性の体から採取されたウイルスがタミフル耐性を獲得しており、しかも、この女性がタミフルではなく、違う抗ウイルス薬のリレンザを処方されていたというのですよ。つまり、他の人の体内でタミフル耐性を獲得したウイルスが、この女性に感染したと考えられるわけで、心配されるタミフル耐性ウイルスのヒト-ヒト感染の可能性が示唆されたわけです。

 リレンザとタミフルを比較すると、錠剤で服用しやすいタミフルに対して、リレンザは粉末の吸入薬なので、子供さんなどは服用しにくいという難点があるため、タミフル耐性を獲得した新型インフルエンザウイルスが流行するようになると、医療現場での混乱が予想されます。

 ただし、気になるのが、タミフル耐性を獲得したとされるウイルスが、どの程度タミフルに効かなくなったってことですよ。

 産経新聞の記事では触れられていないんですが、今回、検出されたウイルスのタミフル耐性という特徴は、あくまでもタミフル耐性の特徴を示す遺伝子変異が確認されたということでしょう。実際にどの程度タミフルが効かなくなったのかってことを調べたものではないんじゃないでしょうか。

 過去、インフルエンザに関してインタビューさせてただいた、ある研究者は、「タミフル耐性というのは、タミフル耐性を示す遺伝子変異が確認されているだけで、実際はまったく効かないわけではないという声も聞かれる」と話しておられました。ということは、今回のようにタミフル耐性ウイルスが出現したといっても、いきなり医療現場で治療の手立てがまったくなくなってしまうってわけじゃないと思うんですよ。

 もちろん、厚生労働省をはじめ、医療行政当局には、こうした事案の情報を広く集め、適切な対策を講じることを期待しますが、今回の報道をもって、「もうタミフルは使えないのか!」なんて深刻にとらえ過ぎないほうがいいと思うんだけど・・・。注目すべきニュースであることは間違いないんですけどね。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/091008/bdy0910080054000-n1.htm

 ではでは・・・。

2009年10月 7日 (水)

ノーベル医学生理学賞 早くも選定に異論が!

 一昨日のノーベル医学生理学賞に続き、物理学賞でも日本人の受賞はならなかったわけですが、その医学生理学賞に関して、ロシアメディアから異論が出ていることが報じられています。

 今年のノーベル医学生理学賞は、染色体のテロメア構造を解明した研究者に与えられたことは、すでに報じられている通りなのですが、ロシアメディアによると、アレクセイ・オロブニコフという研究者が、1971年に理論として指摘しており、今回、ノーベル医学生理学賞受賞者は、それを実証したに過ぎないって主張しているんです。

 私自身、不勉強であるため、このアレクセイ・オロブニコフという研究者のことを知らなかったので、ロシアメディアの指摘にはピンとこないんですが、まぁ、ノーベル賞の選定を巡って、こういうことってよくありますよねぇ。

 昨年、日本の小林誠博士、益川敏英博士が物理学賞を受賞した際も、イタリア物理学会から、ニコラ・カビボが受賞するべきだとの異論が出ていましたね(※)。

 日本人が取り損ねた例でいえば、1997年の化学賞が思い出されます。この年は「ATP合成酵素に関する研究」に対してボイヤー、ウォーカー、スコウに科学賞が贈られたわけですが、ATP合成酵素が回転体であることを可視化したのは、東京工業大学の吉田賢右教授らの研究グループだったわけで、日本人のひいき目からすれば、吉田教授も一緒に授与されるべきなんじゃないのぉ~なんて思ったりもしますがねぇ。

 吉田教授の研究室のウェブサイトにも、冗談半分なんでしょうが、「・・・あとちょっとでノーベル賞だったのに~」なんて一文もありますよ(※※)。

 まっ、こうした人間模様を垣間見られるのも、ノーベル賞ならでわのことなんでしょうね。 

http://nikkansports.co.jp/general/news/f-gn-tp1-20091006-552216.html

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091006STXKC008206102009.html

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/081009/erp0810091131003-n1.htm(※)

http://www.res.titech.ac.jp/~seibutu/main.html?right/~seibutu/projects/f1_bgn.html(※※)

 ではでは・・・。

 

民間の宇宙開発参入を国が後押し。でも、デブリ対策が大きな課題になるだろうね

  日本の宇宙開発は、これまで国の主導で進められてきて、民間企業が参入することがあっても、あくまでも国の監督下で行われてきたわけですが、昨年の宇宙基本法の成立を受けて、今後は民間の参入を促していかないといけなくなりました。

 ただし、民間企業の宇宙開発を促進していくとなれば、宇宙活動に対する国の許可や監督、何らかの損害が発生した場合の賠償、宇宙物体の登録制度などについて規定しておかなければなりません。

 そのため、宇宙開発戦略本部・宇宙開発戦略専門調査会が、こうした課題について検討してきたのですが、このほど「宇宙活動に関する法制検討ワーキンググループ報告書(案)」を取りまとめられ、首相官邸のウェブサイトで公開されました。今後、この報告書案について、一般からパブリックコメントを募った上で、来年の通常国会で宇宙活動法が審議されることになるんでしょうね。

 民間企業が宇宙開発に参入するっていうのはいいことだと思いますんで、国にはしっかりとしたルールを作ってもらった上で、積極的なバックアップを期待したいところなんですが、気になるのが、民間企業が打ち上げた宇宙物体がデブリ化してしまうことですよ。

 民間企業が人工衛星を打ち上げられるようになれば、宇宙物体の数は確実に増えていくことになりますよね。それだけ宇宙開発が活発化しているってことになるんだろうけど、同時に将来のデブリ予備軍を増やしていることでもあるわけだ。となると、何でもいいから「民間企業の皆さん、宇宙開発に乗り出してください」ってわけにはいかないんじゃないのかなって思うわけです。

 で、今回の報告書案なんですが、けっこうデブリ対策についての言及が多いんですよ。宇宙開発戦略専門調査会も素人じゃないわけだから、無策にデブリを増やすわけにはいかないっていうのはわかっていらっさるわけで、「スペースデブリ発生の抑制が確保されていること」、「リオービット等のスペースデブリ低減等に必要な措置を講じなければならない」などが明記されています。

 まぁ、デブリについては、国連総会において「スペースデブリ低減ガイドライン」が決議されていたりするわけですから、そうした国際規約に則る形でしか宇宙開発を進められない以上、デブリの発生抑制には万全の対策を取らないといけないと当然のことなんでしょうが、これって民間企業の宇宙開発参入の大きな障壁にならないかなぁ。

 理想をいえば、運用終了後に大気圏に突入させて、焼失させてしまう技術を搭載しておくことを義務付けるなんてこともありえるのかもしれないけれど、民企業が参入するとなれば、シビアなコスト計算が求められるでほうから、デブリ対策によるコスト増ってけっこう重い課題になってしまうように思うけど・・・。そのあたりも含めて、来年の通常国会では、しっかり論議してもらいたいものです。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/pc/091002/091002pc.html

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utyuu/pc/091002/houseian.pdf

 ではでは・・・。

2009年10月 6日 (火)

地球温暖化で栄養不足の子供が増えるっていうんだけど・・・

 地球温暖化の影響に関して、コンピュータを用いたシミュレーション結果がしばしば紹介されることがありますが、今度は国際食糧政策研究所が生産減と価格高で栄養不足の子供が増えるとの報告をまとめ、発表したようです。

 詳しくは以下の記事をご覧いただきたいのですが、簡単に紹介しておきますと、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」などの予測に基づき、2050年の地球の平均気温が2000年と比較して約1~2度上昇し、降水量が陸地の約2~10%で増えるとの想定の下、独自に開発したモデルを用いたコンピュータ・シミュレーションを行ったとのことです。

 シミュレーションの対象になったのは、32種類の穀物、畜産物に関する生産量や価格でして、穀物については高温障害などが発生し、途上国での生産量が、小麦で30%、コメで15%減るとの予測が得られたとおこと。さらに、人口増加に伴う需要増の影響もあって、食糧の価格は高騰。途上国を中心に栄養不足の子供が増えるとしているんですよ。

 ただね、ちょっと気になるのが、温暖化の影響のあらわれかたですよ。記事でも触れられているように高温障害が起こって、穀物生産量が減少することはありえるとは思うけれど、高温耐性の高い品種を選択することも可能なわけで、小麦、コメで予測されたような15~30%の生産量の減少って本当に起こるものなのかなぁ。

 そもそも、大気中の二酸化炭素濃度が増えるってことは植物の生育に好都合なわけでしょう。二酸化炭素の増加って施肥効果があるていわれちるぐらいだし・・・。それに、温暖化の影響で水不足が深刻化するっていうのならともかく、陸地での降水量は増えるっていう想定下でのシミュレーションで、15~30%も減収してしまうのか、大いに疑問を感じてしまいます。

 では、これまではどうだったのかというと、以下の(※)は、気候変動(この論文ではglobal climatic changesと表記されており、地球温暖化global warmingとは書かれていない)の影響で植物の生産量は増加したと報告しています。

 これは「Terrestrial Net Primary Production」の結果なので、農作物に限った話じゃないんだけど、1982年から1999年の間の地球温暖化では、植物の生産量は増加したのに、これからの数十年の地球温暖化では穀物の生産量は大きく落ち込むってのには、繰り返しになるけど、大いに疑問を感じてしまうわけです。

 詳しいシミュレーション結果については、新聞記事だけじゃなくて、ちゃんとレポート(※※)を読まないと論じられないだろうけど、う~ん、どうも読む気になれないなぁ。

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20091006dde041040029000c.html

http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/300/5625/1560(※)

http://www.ifpri.org/pressrelease/new-report-climate-change-projects-25-million-more-malnourished-children-2050(※※)

 ではでは・・・。

2009年10月 5日 (月)

ノーベル賞 医学生理学賞での日本人の受賞はならず

 いくつかの新聞の速報でご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、本日(10月5日)発表のノーベル賞・医学生理学賞での日本人の受賞は叶いませんでした。

 先日、このブログでも紹介したトムソン・ロイターの予測では、東北福祉大学の小川誠二特任教授が有力候補に挙げられていましたし、「ノーベル賞に最も近い賞」と呼ばれるアメリカのラスカー賞を京都大学の山中伸弥教授が受賞したのでノーベル賞とのダブル受賞も期待されましたが、結局、授賞したのはアメリカの研究者3人でありました。

 詳しくは、以下の新聞などを拝見していただきたいのですが、スウェーデンのカロリンスカ研究所は、「テロメアとテロメア合成酵素による染色体保護の仕組みの発見」との授賞理由で、カリフォルニア大学のエリザベス・ブラックバーン博士、ジョンズ・ホプキンス大学のキャロル・グライダー博士、米ハーバード大学のジャック・ショスタク博士の3人に賞を贈ると発表しました。

 まぁ、テロメアとテロメラーゼの発見となれば、ノーベル賞級の研究成果であることは間違いないわけで、この3人の受賞に異論はないんだけど、細胞の老化に関連した研究でいえば、カルフォルニア大学のレオナード・ヘイフリック博士を思い浮かべます。

 平和賞を受賞したUNHCRとか、IAEAのような団体は別にいて、ノーベル賞は1部門につき、3人までに与えられるので、ヘイフリック博士ははずされちゃったのかなぁ。テロメア関連の研究に与えるってことなら、ヘイフリック博士も十分に候補になっていても不思議じゃないと思うんです。ご存命だけに、個人的にはヘイフリック博士にも与えてあげてもいいと思うんですが、3人枠に泣かされたってところでしょうか。

 ちなみに、今回、医学生理学賞を授賞したお三方は、2006年にラスカー賞を受賞なさっています。ということは、今年、ラスカー賞を受賞した山中教授のノーベル賞の受賞は2012年かもしれないって・・・。ついつい期待が膨らんでしまいますね。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20091005-OYT1T00853.htm

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2649874/4723280

http://mainichi.jp/select/today/news/20091006k0000m040022000c.html?link_id=RTH03

 ではでは・・・。

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