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2009年10月 8日 (木)

タミフル耐性の新型ウイルス ヒト-ヒト感染の可能性が示唆される

 気温が低く、空気が乾燥した冬場に流行するインフルエンザですが、新型インフルエンザの場合、誰も免疫を持っていないために8月から流行し始め、国立感染症研究所の推定では、9月14日から20日までの1週間だけで、27万人が感染したとされています。

 こうなってくると、インフルエンザの治療のために相当量の抗ウイルス薬のタミフルが処方されることになると思うのですが、そこで心配になってくるのが、タミフル耐性ウイルスの出現です。

 これまでにもタミフル耐性ウイルスは、デンマーク、大阪、山口で出現したと報告されてるわけですが、これまでは特定の患者から採取されたウイルスがタミフル耐性を獲得していたとうだけで、耐性ウイルスがヒトからヒトへと感染して流行株になってはいなかったわけです。

 ところが、以下の産経新聞の記事によると、札幌市内の医療機関を受診した10代の女性の体から採取されたウイルスがタミフル耐性を獲得しており、しかも、この女性がタミフルではなく、違う抗ウイルス薬のリレンザを処方されていたというのですよ。つまり、他の人の体内でタミフル耐性を獲得したウイルスが、この女性に感染したと考えられるわけで、心配されるタミフル耐性ウイルスのヒト-ヒト感染の可能性が示唆されたわけです。

 リレンザとタミフルを比較すると、錠剤で服用しやすいタミフルに対して、リレンザは粉末の吸入薬なので、子供さんなどは服用しにくいという難点があるため、タミフル耐性を獲得した新型インフルエンザウイルスが流行するようになると、医療現場での混乱が予想されます。

 ただし、気になるのが、タミフル耐性を獲得したとされるウイルスが、どの程度タミフルに効かなくなったってことですよ。

 産経新聞の記事では触れられていないんですが、今回、検出されたウイルスのタミフル耐性という特徴は、あくまでもタミフル耐性の特徴を示す遺伝子変異が確認されたということでしょう。実際にどの程度タミフルが効かなくなったのかってことを調べたものではないんじゃないでしょうか。

 過去、インフルエンザに関してインタビューさせてただいた、ある研究者は、「タミフル耐性というのは、タミフル耐性を示す遺伝子変異が確認されているだけで、実際はまったく効かないわけではないという声も聞かれる」と話しておられました。ということは、今回のようにタミフル耐性ウイルスが出現したといっても、いきなり医療現場で治療の手立てがまったくなくなってしまうってわけじゃないと思うんですよ。

 もちろん、厚生労働省をはじめ、医療行政当局には、こうした事案の情報を広く集め、適切な対策を講じることを期待しますが、今回の報道をもって、「もうタミフルは使えないのか!」なんて深刻にとらえ過ぎないほうがいいと思うんだけど・・・。注目すべきニュースであることは間違いないんですけどね。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/091008/bdy0910080054000-n1.htm

 ではでは・・・。

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