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2009年11月 3日 (火)

インフルエンザのワクチンが不足して、今、思うこと

 新型インフルエンザの感染が拡大する中、ワクチンが不足していることに関して、政府への批判が高まっているようですね。

 4月に今回の新型インフルエンザが発覚してなお、従来通りの鶏卵培養によるワクチン製造に頼ってきたことに対して批判が沸き起こっているわけですが、急遽、細胞培養によるワクチン製造を取り入れたとしても、新たに臨床試験を実施しなければならないわけで、今年度の流行期に間に合ったかどうかは疑わしいんじゃないですかね。

 とはいえ、鶏卵培養に比べ、細胞培養は早期に大量のワクチンの製造が期待できることは以前からわかっていたわけですし、今回の新型インフルエンザが発生する以前から、H5N1高病原性鳥インフルエンザによるパンデミックが起こるのではないかと指摘されていたわけですから、「もっと早いうちから準備しておけよ」という批判が噴出するのも致し方ないのかもしれません。

 ですから、以下の産経新聞の記事のように、細胞培養への期待が高まっているといった報道もけっこうなされるようになっていますね。

 この記事では、イヌの腎臓細胞(MDK)を使った細胞培養によるワクチン製造を紹介しているんですが、一方で技術のオリジンはアメリカのバイオベンチャーによるものなのですが、ヨトウガという蛾の細胞を用いて培養する方法の技術導出を受けた日本の企業が、現在、臨床試験を進めてるようです(以下の※をご参照ください)。

 また、今回の新型インフルエンザの発覚前の4月初めに厚生労働省が、日本独自の細胞培養によるワクチン製造技術の開発するための、1500億円規模の基金を作ることを目指し、平成21年度補正予算に予算請求するという話もありました。でも、これについては続報がぜんぜん聞かれませんねぇ。どうなったんでしょうか(詳しくは※※をご参照ください。そんな詳しい記事じゃないんですが・・・)。

 というわけで、ワクチンの原料となるウイルスの培養法については、鶏卵培養だけでなく、細胞培養の実施も検討されているようですから、今後に期待したいとこおです。ただ、もう一つ、今回の新型インフルエンザ騒動を機に議論しておいたほうがいいんじゃないかって思うのが、全粒子タイプのワクチンですよ。

 ご存知の方も多いと思いますが、現在、日本で使われているインフルエンザワクチンは、培養したウイルスを破壊して、そこから一部の分子だけを精製したスプリットタイプですよね。これだけ免疫原性は低いと言われていますから、接種を受けた人に十分な免疫をつけさせるためには、それなりの量のワクチンを接種しなければならなくなります。

 その点、全粒子タイプだと、ウイルスを不活性化しているとはいえ、ウイルスに含まれる分子すべてをワクチンにしているので、スプリットタイプに比べ、高い免疫原性を有していうといえます。当然、少ない量のワクチン接種で十分な免疫をつけさせることが期待できますね。現在、ワクチンが不足して問題になっているわけですから、鶏卵で培養されたウイルスの一部を、全粒子タイプのワクチンんすれば、不足分を少しでも補えたんじゃないかって思うのは私だけでしょうか・・・。

 もちろん、全粒子タイプの場合、スプリットタイプに比べ、副反応が出やすいと言われているわけですから、簡単に導入できない事情もあるんでしょう。でも、北海道大学の喜田宏教授のように、最新の精製技術を用いれば、全粒子タイプのワクチンでも副反応を抑えられるとの指摘をしている研究者もいるわけですから、今回のようにワクチンの不足があらかじめ想定される事態においては、全粒子タイプのワクチン生産も視野に入れた論議があっても良かったんじゃないかと思うんですよ。

 まぁ、病気の予防のためのワクチンによる副反応は絶対に避けなければならないと思うあまり、全粒子タイプの論議さえはばかられたのかもしれませんが、H5N1高病原性鳥インフルエンザに対するプレパンデミックワクチンが全粒子たいぷのものだったわけですから全粒子ワクチンを選択肢から完全に排除してしまう必要もないでしょう。

 というわけで、ここ最近のワクチン不足の混乱を受けて、こんなことを考えてみました。

http://sankei.jp.msn.com/science/science/091102/scn0911020805000-n1.htm

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw08060101.htm(※)

http://www.umnpharma.com/pipeline/2009/03/umn-0501.html(※)

http://www.asahi.com/health/pandemicflu/TKY200904030179.html(※※)

  ではでは・・・。

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