2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

« オオカミ再導入を推奨する論文が発表されたようですが・・・ | トップページ | 脳科学で本当に集中力は高められるのか? »

2010年2月12日 (金)

今回も生態学のお話 フナの稚魚放流で水田の生物多様性が高まった

 先日、オオカミの再導入に関する報道をご紹介したら、普段よりも多くの方々にアクセスしていただけたようで、ありがたい限りです。研究分野としては、オオカミの再導入に関連するような生態学、野生動物学って、研究予算的にも憂き目を見ているところがあるのですが、世間的には耳目を集めるようですね。

 というわけで、今回も生態学のお話をば・・・。

 琵琶湖の固有種のニゴロブナの稚魚を水田に放流すると、そこに生息する動物プランクトンの種類が2倍に増えることを明らかにしたっていう、琵琶湖博物館による研究成果を中日新聞が伝えています。

 詳しくは以下のサイトをご覧いただきたいのですが、ブラックバスなどの外来種が増加したことで、ニゴロブナが減少してるため、湖に比べ外来種が少ない水田を活用し、ニゴロブナを増やす活動を滋賀県が進めているのですが、人為的に稚魚を放流するとなれば、水田の生態系への影響も調べておく必要があります。

 そこで、琵琶湖博物館と茨城県中央農業総合研究センターが共同で稚魚の放流調査を実施しました。一つの水田に1600匹の稚魚を放流したところ、1カ月ほどで稚魚の餌となるミジンコがほぼ全滅。その代わりに、小さな動物プランクトンが、それまでの5種類から10種類前後にまで増えたというんですよ。

 この研究成果に対して、琵琶湖博物館の研究者は、「ミジンコの量は減ったが、結果的に生物の多様化は進んだ」と肯定的に受け止めています。まぁ、種類数が増えたってことは紛れもなく生物多様性が高まったわけで、肯定的に捉えることには異論はないんだけど、ミジンコが全滅してしまったっていうのはいいのかわるいのか、ちょっと判断しかねますね。たしかに種類数の面でいれば、水田の生物多様性は高まったとはいえ、稚魚を放流したことによる直接的な影響としてミジンコが全滅したとなれば、放流した個体数が多すぎたという評価でもできるんじゃないかなとも思うのですが・・・。

 前述のとおり、今回の調査では一つの水田に1600匹の稚魚を放流したわけだけど、もし、800匹だったらどうだったのか、400匹だったらどうだったのか・・・といった放流個体数を変えて評価していけば、ミジンコの捕食対象となっていた、より小さな動物プランクトンの種類数も増やしつつ、ミジンコも絶滅させない放流数を見出して、より多様性の高い水田を作ることができるようにも思うんだけど、どうでしょうか。

 今後の研究成果に期待しましょうか・・・・。

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20100211/CK2010021102000015.html

 そうそう余談ですが、今回の研究成果についてもっと詳しく知りたいと思って、琵琶湖博物館のウェブサイトを覗いてみました。サイト内をさまよって、なんとか研究成果を発表するページに行きつきましたが(※)、博物館にとって研究活動も、展示室の運営、管理と並ぶ重要な活動なので、もっとわかりやすいところに紹介してもらえないかなって思ったのですが・・・。

http://www.lbm.go.jp/researcher/press/2009/100210.pdf (※)

 ではでは・・・。

« オオカミ再導入を推奨する論文が発表されたようですが・・・ | トップページ | 脳科学で本当に集中力は高められるのか? »

環境科学」カテゴリの記事

野生動物」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« オオカミ再導入を推奨する論文が発表されたようですが・・・ | トップページ | 脳科学で本当に集中力は高められるのか? »