2016年7月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

« 再生医療ベンチャーのセルシードが株式上場するようですね | トップページ | iPad発表以降、書籍の電子化の話が盛んに語られていますね »

2010年2月17日 (水)

神経細胞を生み出すスイッチの仕組みが解明されたようです

 先日、骨髄細胞にNotch遺伝子の一部を導入して、様々な神経に分化できる神経前駆細胞を作製し、これを脳梗塞患者の脳に移植するという新しい脳梗塞の治療法の話をしたけれど、そのNotch遺伝子について、興味深い研究成果を名古屋大学が発表しました。

 詳しくは以下のPDFファイルをご覧いただきたいのですが、神経細胞のもとである神経幹細胞(前述の神経前駆細胞よりもさらに未分化の細胞ってことですね)から、神経細胞が生み出される際に働くスイッチの仕組みを明らかにしたっていうんですよ。

 Notchによりシグナルは、以前から神経幹細胞から神経細胞が生み出されるスイッチの一つとして働いていると考えられていたものの、その仕組みの詳細は明らかになっていなかったんだそうです。ただ、リリースを読む限り、Notchのシグナルが活発になると、神経幹細胞を維持され、シグナルが抑えられると神経細胞が増えることわかっていたようです。

 そこで、名古屋大学高等研究院の伊藤素行特任准教授の研究グループは、Nemo like kinaseNLK)というリン酸化酵素に注目し、この酵素がNotchタンパク質をリン酸化することを新たに発見しました。

 Notchタンパク質は、NLKによりリン酸化されることで、その働きを発揮する際に重要な他のタンパク質との複合体系性能が抑えられるとのことでして、実際、ゼブラフィッシュを使った実験で、NLKの働きを抑えたところ、Notchタンパク質の働きが活発になり、神経幹細胞が増加したそうです。

 今回、明らかになったNotchシグナルを調節する仕組みは、ヒトでも共通に備わっていると考えられているようで、この成果を元に、神経幹細胞の増殖を人為的に促す薬を開発できるんじゃないかっていう期待も言及されているんですが、ここにちょっと疑問を感じてしまうんですよね。

 というのも、このNotchってタンパク質は、神経幹細胞が神経細胞に分化するのを抑える働きがあるんでしょう。ということは、NLKの働きを抑えることで神経幹細胞が増えたっていうのは、神経幹細胞の絶対数を増えたっていうわけじゃなく、本来、神経細胞に分化するところを抑えたことで、見掛け上、神経幹細胞が増えたように見えるだけのようにも理解できるんじゃないかなって・・・。この点が気になるなぁ。

 脳梗塞、外傷性障害、神経変性障害などの病気に対する応用が期待されると書かれているんだけど、例えば、脳梗塞の患者の場合、死んでしまった神経細胞に代わる神経細胞の新生が必要なわけだから、神経幹細胞を増やすための薬では、直接的な治療に結びつかないようにも感じてしまったんですよ。この疑問は、今回の研究成果を私がちゃんと理解できていないからなのかなぁ~。

 ちなみに、このリリースは、A4用紙1枚分にまとめられた文書でして、今回発見された調節機構を説明するイラストはありません。だから、私の理解が及ばなかったのかもしれないんだと思うけれど、リリースとして発表するなら、もうちょっとわかりやすくしてほしかなぁ。

http://www.nagoya-u.ac.jp/pdf/research/news/20100201_iar.pdf?20100201

 ではでは・・・。

« 再生医療ベンチャーのセルシードが株式上場するようですね | トップページ | iPad発表以降、書籍の電子化の話が盛んに語られていますね »

ライフサイエンス」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/536948/47570756

この記事へのトラックバック一覧です: 神経細胞を生み出すスイッチの仕組みが解明されたようです:

« 再生医療ベンチャーのセルシードが株式上場するようですね | トップページ | iPad発表以降、書籍の電子化の話が盛んに語られていますね »