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2010年3月

2010年3月15日 (月)

「子供の科学」2010年4月号でワシントン条約の解説記事を書きました

 刺身や寿司ネタになる大西洋クロマグロの国際取引規制が論議されるとあって、13日から開催されたワシントン条約(CITES)の第15回締約国会議(COP15)が新聞、テレビで頻繁に紹介されていますね。

 国際取引が基本的に禁じられる附属書Ⅰへの掲載が論議されるとあって、その多くを輸入している日本にとっては大きな問題なわけですが、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)が規制を講じても、なかなか資源量の回復が見られないということなので、国際取引を一定程度規制するのはしかたがないのかもしれません。

 ただし、規制が強化され資源が回復した後、スムースに規制が緩和されるかどうかが気になるんですよね。水産資源量の推定は科学的には可能であっても、それをどう評価するかは政治的な力学が働くものだから、「資源量が増加→国際取引の規制緩和」とスムースに移行するかどうか・・・。難しい問題です。

 それから、現在、書店に並んでいる「子供の科学」(誠文堂新光社発行)で、ワシントン条約の解説記事を書かせていただきました。機会がありましたら、ご一読を・・・。

http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=2628

 ではでは・・・。

2010年3月14日 (日)

Twitterがトラブっているようですね

 3週間ほど前だったか、Twitterを始めまして、徒然なるままにつぶやいております。手短に紹介できる科学ニュースはTwitterで、ロングで書きたいことはブログでって感じなのですが、ここのところ目先の仕事に追われて、ブログの更新が滞っております。

 で、Twitterのほうはといいますと、現在、Homeに入ると、

Something is technically wrong.

Thanks for noticing—we're going to fix it up and have things back to normal soon.

 との表示が示されるばかり・・・。

 他の方のつぶやきを読めたりするのですが、タイムラインに異常があるなどのつぶやきもあるようで、トラブっているようですね。

 まっ、こういう時は焦ってもしかたがありませんし、何としてでもつぶやかないといけないというものでもありませんから、本日は、Twitter状況をブログに書いて、仕事に戻ることにいたします。

 ではでは・・・。

2010年3月12日 (金)

厚労省がiPS細胞の再生医療応用で安全指針案をまとめたっていうんだけど・・・

 昨日、ご紹介したiPS細胞から腸を再生する研究成果のように、iPS細胞を用いた再生医療は、実用化に向けて着実に研究が進められていますが、実用化に向けて必要不可欠なのが安全指針(ガイドライン)です。

 ガイドラインも何もなく、現場の医師などの医療関係者の判断だけに委ね、何か問題が起こった時に、行政は一切のリスクをとらないというのでは、iPS細胞を用いた再生医療を実用化させようっていう機運は決して高まらないでしょうね。

 そこで、以下の日経の記事によると、厚生労働省がiPS細胞などの再生医療に応用する際の安全指針案をまとめたようです。さっそく厚生労働省のウェブサイトを覗いて、その案とやらが公開されていないか調べてみたんですが、生憎、見つけられませんでした(私の探し方が悪かっただけかもしれませんが・・・。ご存知の方がいらっしゃいましたら、どちらで閲覧できるのかご教示ください)。

 というわけで、現時点では日経の記事だけで、その内容を推察するしかないのですが、日経の記事では「企業や研究機関が薬事法に基づく臨床試験(治験)をする時に使う細胞の作製法や管理法、確認事項などを定めた。副作用や発がんなどのリスクを最小限に抑えるのが狙いだ」って紹介されていますから、けっこう踏み込んだ内容になっているようですね。

 ただし、ここでちょっと疑問を感じるのが、現時点までの研究で、本当に安全を確保する指針ができるのかってことですよ。

 私の認識では、iPS細胞の研究では、がん化させないための方法の模索が全世界で行われているわけですよね。例えば、ウィルスベクターによる遺伝子導入する方法から、化合物で脱分化を促す方法が研究されたり、iPS細胞にまで戻さないで、体細胞から望みの別の体細胞に変えるっていう手法も開発されてきています。でも、「これで決まりだ!」と言えるほどの決定的な方法が開発されていないのも否めぬ事実で、まだまだ群雄割拠といったところでしょうか。

 それに、昨日の読売新聞の記事()によると、東京大学の小川誠司特任准教授らの研究グループが、iPS細胞は培養を続けると、徐々に遺伝子が変異してしまうことを明らかにし、日本再生医療学会で発表するとのこと。

 まだ発表前ということで、あまり詳しい内容は報じられていないのですが、以前、私が理研BRCを取材した際も、iPS細胞のように未分化の細胞を培養し続けたら、遺伝子に変異が起こるということは話されていたので、培養を続けることで遺伝子変異が起こることは十分にあり得ることでしょうね。ただ、「最短5回の植え継ぎをした12株で、一部の遺伝子の重複や欠落などの異常が起きていた」っていうのには驚かされました。

 こういう成果が得られたってことは、iPS細胞を用いた再生医療でも、患者自身の細胞を使わないレディメイドの再生医療の場合、元となる細胞をどの程度まで増やしていいのかっていうことも決めていかないといけないわけで、現時点でどこまで具体的な安全指針案ができるのか、疑問を感じてしまいます。

 とはいえ、前述のとおり、iPS細胞を用いた再生医療を実用化させていく上で、安全指針は必要不可欠なものですから、2010年度中に正式決定される安全指針案を叩き台にして、論議を尽くしていただきたいものです。期待していますよ。

http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2010030904011h1

http://osaka.yomiuri.co.jp/university/research/20100311-OYO8T00240.htm?from=ichioshi (

 ではでは・・・。

2010年3月11日 (木)

iPS細胞から蠕動運動が可能な立体構造をもった腸が作られました

 以前にもこのブログで書いたと思いますが、病気や怪我によって機能を損なわれた臓器をよみがえらせる再生医療を実現しようとすると、患者の体外で一定の大きさの組織を培養できなければならないと考えています。

 もちろん、赤血球、白血球など単離した状態で働く細胞なら組織を作るひつようないでしょうし、未分化の細胞を播種した担体に患者に埋め込み、体内で組織を形成するっていうアプローチでの技術革新もありえるのかもしれませんが、臓器の機能が徐々に回復していくのを待つ時間的な余裕がない患者にとっては、臓器の機能を十分に発揮できるほどの大きさをもった臓器を体外で培養し、これを移植するという方法が求められるのでしょう。

 ならば、未分化の細胞から成熟した体細胞へ分化誘導させるだけでなく、立体構造をもった臓器を形成する技術も必要なわけですが、以下の毎日新聞の記事をはじめ、複数の報道機関が、奈良県立医科大学の中島祥介教授の研究グループが、マウスを用いてiPS細胞から腸を作り出すことに成功したと報じています。

 詳しくは以下の記事をご覧いただきたいのですが、大まかな内容を紹介しておきますと、これまでにも平面のシート状の組織は作られていたのですが、今回の成果では、管状の組織を作り出すことに世界で初めて成功したというんですよ。

 大きさは直径約2mm、長さ約5mmと小さなものですが、腸特有の蠕動運動もできるようになっていて、内容物を押し出す動きも観察できたというので、この点については腸の機能を持っていると言えるようですね。

 ただ、現在、書店に並んでいるMedical Bio誌(オーム社発行)にも書かせていただきましたが、腸管組織には数多くの免疫細胞が存在するなど、実に複雑な構造を持っています。その点で、今回、発表された腸が、iPS細胞からどのような細胞に分化させて、立体的な組織を作り出したのか気になるところです。

 腸管を形成する細胞の機能についてはあまり詳しくはないので、推測に頼らないといけないのですが、蠕動運動を再現するだけなら、筋層の細胞だけでも大丈夫なのかなぁ~って考えたりもしています。ならば、患者の体内に移植できるだけの腸を作ろうと思えば、筋層だけでなく、粘膜層や漿膜も形成できないといけないわけですから、腸の完全培養まではまだまだ多くの研究を積み重ねていかないといけないと言ったところでしょうか(う~ん、毎日新聞の記事だけでは情報が足らないなぁ)。

 ちなみに中島教授のお名前で、Pubmedを検索したところ、Biochemical and biophysical research communications20101月号に「Generation of functional gut-like organ from mouse induced pluripotent stem cells」という論文が掲載されているようです(※)。ご興味のある方はご参照ください。

 それから、Pubmedで読める、この論文のアブストラクトによると、今回、新たに作られた腸は“iGut”と名付けられたようです。先日、スタンフォードの研究グループが、マウスの尾の細胞から、iPS細胞を経ずに神経細胞を作った際、作られた細胞を、“iN細胞”と名付けていましたが、再生医療の研究で新たに作られた細胞、組織は「i●●」って名付けられるのが慣例になっているんでしょうか。

http://mainichi.jp/select/science/news/20100310k0000e040041000c.html

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19895786?itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_RVDocSum&ordinalpos=5 (※)

 ではでは・・・。

2010年3月10日 (水)

『The Cove』のアカデミー受賞を受けて考えた

 一昨日のアカデミー賞を受賞した『The Cove』(※)への注目が高まっていますね。

 私は、いつだったか忘れてしまいましたが、TBSラジオの『キラ★キラ』で、映画評論家の町山智浩さんが紹介されているのを伺って以降、ネット上で予告編を見るぐらいでした。昨年の東京国際映画祭そうですが、このまま見る機会はないままになるのかなぁ~と思っていたら、アカデミー受賞だし、夏には日本で公開するっていうじゃないですか。機会があれば、どんなふうに描いているのかチェックしてみたいものです。

 だから、変な感じで上映ボイコットなんてことにならないほうがいいなぁって思っています。もちろん、この映画は日本の沿岸捕鯨(イルカ漁)を批判しているわけだから、日本人なら、いい気はしないのは間違いないけれど、上映ボイコットしたって、ただ論議を拒絶するだけですからね。上映してもらって、見た人がそれぞれに考えればいいんじゃないかなって・・・。ちょっと偉そうなことを言うようですが、本当にそう思います。できれば、映画で描かれる一方的な論調だけを鵜呑みにするだけじゃなく、いろんな情報も集めて、考える機会になればいいと思います。

 それから、昨日のアカデミー受賞以降の報道を見ていると、「盗撮した映画なんて・・・」って論調はあるけれど、告発系ドキュメンタリーだったら、ある程度は盗撮も致し方ないのかもしれない。というか、告発的な環境保護活動では、盗撮は活動の一環になっているんじゃないかなぁ。

 例えば、イギリスにEnvironmental Investigation AgencyEIA)(※※)という環境保護団体があるんですが、この団体はスタッフを環境破壊が行われている現場に潜入させ、隠し撮りして、得られた映像をメディアに提供して、問題を訴えていくという手法をとっています。以前、NHKEIAの活動を紹介した際は、こうした隠し撮りを活用した調査手法を“EIA Method”って呼んでいて、世界中の多くの環境保護団体が活用しているんだそうです(誤解がないように書いておきますと、太地のイルカ漁を環境破壊だなんて思っちゃいないですよ。正当な生業だと思います。このことは後でも書きますから・・・)。

 だから、『The Cove』の製作者(というか、出演していた活動家)も、当然のように取材を許可してもらえなければ、隠し撮りで・・・って考えたのでしょう。隠し撮りされること自体、決して気持ち良いことじゃないだろうけど、「盗撮によって作られた映画=悪い作品」とアピールするより、「絶滅の恐れのない野生生物なんだから、なぜ捕って食べてはいけないのか?」と正攻法で論じ合うほうがいいんじゃないかぁ~って・・・。そんなふうに思うけどなぁ。

 人間の手で個体数回復が難しい野生動物の場合、個体数を減らし、絶滅の危機に瀕しているなら、一定の捕獲規制が加えらなければならないだろうし、場合によっては全面禁漁も必要だと思います。でも、捕獲対象が絶滅の恐れがないというなら、相手が野生動物であっても、捕獲して何が悪いんでしょうか。それが生きるために必要なことなんだから・・・。

 だから、太地のイルカ漁は正当な生業であり、誰からも誹りを受けるようなことじゃないでしょう。

 今日は偉そうなことを書いてしまいましたが、昨日の受賞を受けて考えたことを思うままに綴ってみました。

http://thecove-2010.com/ (※)

http://eia-international.org/ (※※)

 ではでは・・・。

2010年3月 4日 (木)

人身売買を防ぐべく、ハイチで行方不明の子供のDNAサンプルを収集

 このところ、目先の仕事の追われ、ブログの更新が滞ってしまい申し訳ありません。まだ、切羽詰まった状態が続いておりますので、今回の更新は手短に・・・。

 日本ではあまり報道される機会は少ないようですが、世界的にみると、人身売買(Human Trafficking)ってけっこう大きな問題になっています。

 2003年にユニセフが発表したプレスリリース(※)によると、人身売買によって犯罪組織が得る収益は120億円にも達するというのですから、日本にいて普通に実感できる以上に、人身売買の問題は根深いようです。

 最近でも、大地震後の混乱の中にあるハイチで、多くの子供たちが行方不明にあり、そのうちの相当数の子供たちが人身売買の対象になっているというんです(※※)。

 そこで、The Life Technologies FoundationLife Technologies Corporationが運営する非営利団体)が、PROKIDS(子供の人身売買撲滅に取り組む非営利団体)と共同で、ハイチの子供たちを狙った人身売買や不法な養子縁組を防ぐべく、行方不明になった子供の親のDNAサンプルを集めると発表したようです(※※※)。

 今回の取り組みは、親のDNAサンプルを集め始めたってことなので、行方不明になった子供のDNAサンプルも入手できれければ、照らし合わせることはできないのですが、こうした取り組みだけでも人身売買を行おうとする犯罪組織に対しては、一定の抑止効果をもたらすのかもしれませんね。

 こうした取り組みが一助となり、子供の人身売買が少しでも食い止められることを願うばかりです。

http://www.unicef.or.jp/library/pres_bn2003/pres_03_17.html (※)

http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-13522220100126 (※※)

http://www.lifetechnologies.com/life-technologies-foundation-and-dna-prokids-team-prevent-child-trafficking-haiti.html (※※※)

 ではでは・・・。

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