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カテゴリー「恐竜」の記事

2009年10月16日 (金)

恐竜の3分の1の種は存在していなかった?

 現生の生物であれば、形態を詳しく調べるほか、遺伝子を比較検討できるので、種の同定は高い精度でできるようになっていますよね。しかし、断片的な化石資料しか調べられない恐竜が相手となると、種の同定はけっこう難しいんじゃないかと思うんですが、ナショナル・ジオグラフィック・ニュースに興味深い記事が掲載されていましたのでご紹介したいと思います。

 詳しくは以下のナショナル・ジオグラフィック・ニュースのウェブサイトをご覧いただきたいのですが、UCバークレーのマーク・グッドウィン氏とモンタナ州立大学のジャック・ホーナー氏が、これまでに報告されているすべての恐竜のうち、実に3分の1は実在しんかったと論じているというんですよ。

 その理由は、子供の頃の恐竜は、現生の鳥類などと応用に、身体が劇的に変化しながら成長するためのようでしt、例えば、ティラノサウルス・レックスの亜種などは、若齢個体の化石が別種の化石と誤認された結果、新種として報告されたんじゃないかと、両氏は指摘しているようです。

 そうした誤認の典型例として記事で紹介されているのが、、ナノティラヌスという恐竜でして、当初は小型のティラノサウルス類だと考えられていたものの、現在ではティラノサウルス・レックスの若齢個体だと考える研究者が多いのとこと。

 それで、これまでに報告されている恐竜のすべての種の3分の1は、新種と誤認された結果なのではないかということなんですが、3分の1にも上るかどうかはともかく、相当数は誤認された結果の新種だったってことは十分にあり得ることでしょうね。

 例えば、私が子供の頃にあった恐竜の図鑑で、必ず紹介されていたブロントサウルスって、今ではアパトサウルスと同種だってことになっていますよね。この場合は研究者の功名心というか、化石発掘競争が激しかったため、二人の研究者が同種の恐竜を、それぞれに新種として報告した結果、起こってしまったことなわけですが、研究者にとって新種を報告することは、自身の名前を後世に残すことになるだけに、新種として発表したいという想いが先走り、既知の種を新種と誤認して報告してしまったことは他にもたくさんあるんじゃないですかねぇ。

 ならば、今後、新種と判断したことは間違いだと判明することがあっ不思議じゃないでしょう。

 でも、知り合いの研究者が報告した新種を、新種じゃないって指摘するのってなかなかやりにくいことなんじゃないかなぁ~。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=49978166&expand

 ブロントサウルスとアパトサウルスの件については、Wikipediaで詳しく紹介されておりますので併せてご覧ください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%82%B9

 ではでは・・・。

2009年5月 4日 (月)

化石から採取したタンパク質で、恐竜を復元できるか?

 映画「ジュラシック・パーク」をはじめ、すでに絶滅してしまった救急などの古生物を復活させるってのには、ロマンを掻き立てられるが、現実の科学研究でも、化石資料からDNAを採取しようとする研究が実施されたことはあった。

 といっても、石化した化石からDNAを採取するのは難しいので、「ジュラシック・パーク」でおなじみの琥珀に閉じ込められた吸血性の昆虫の体内に恐竜のDNAが残されていないかどうかを調べようとしたわけだが、こうした取り組みはすべて失敗に終わったと記憶している。

 ところが、化石から採取されたタンパク質を元に、恐竜を復元できるかもしれないという記事が、朝日新聞に掲載されているので紹介したい。

 この記事はScience5月1日号に掲載されている、アメリカのノースカロライナ州立大学のメアリー・シュバイツァー博士らの研究グループが発表した論文“Biomoleculer Characterization and Protain Sequences of the Campanian Hadrosaur B.candensis”を元に書かかれている。

 サンプルになったのは約8000万年前のブラキロフォサウルス(ハドロサウルス科)の化石で、標本間の異物の混入を防ぐため、周囲の厚い岩板を含めて発掘し、研究室に持ち帰り、クリーニングを行った結果、血管などの結合組織を採取することに成功した。

 さらに詳しく分析して、アミノ酸配列を明にしたところ、結合組織中に含まれていたコラーゲンのアミノ酸配列が、鳥のコラーゲンと非常によく似ていたというのだ。

 この事実は、これまでにも言われていた、恐竜は鳥に進化したという学説を強力に支持するものとなるわけだが、問題なのは、採取されたタンパク質から恐竜が復元できるのかってことだ。

 朝日新聞の記事中でも、国立科学博物館の真鍋真さんのコメントとして、「アミノ酸情報は限定的なので、すぐには『恐竜のクローン復元』にはつながらない」と紹介しているが、この研究成果だけで、恐竜の復元を言及してしまうこと自体、先走りすぎじゃないだろうか。

 恐竜の身体が何種のタンパク質で構成されていたのかはよくわからないが、今回、アミノ酸配列が明らかになったのは、一部のコラーゲンだけだろうし、これから先、このコラーゲン以外のタンパク質のアミノ酸配列が明らかになっていく見通しはまったく立っていないわけだろう。だったら、これだけで恐竜を復元なんてできっこないんじゃないか。

 まぁ、「恐竜復元」との見出しがつけば、読者の注目度も高まると読んだのかもしれないけれど、これってよちよち歩きし始めた幼児に「世界一周徒歩旅行に望み」なんてタイトルを付けているようなものだろう。

 恐竜の復元にはつながらないだろうが、恐竜から鳥への進化を明らかにしていく上で、今回の研究成果が意義深いものだと思うが・・・。

http://www.asahi.com/science/update/0501/TKY200905010181.html

http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/sci;324/5927/626?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=&fulltext=Biomolecular+Characterization&searchid=1&FIRSTINDEX=0&resourcetype=HWCIT

 ではでは・・・。

2009年4月 5日 (日)

竜脚類恐竜の首の長さは何のため?

 マメンチサウルスやアパトサウルスなどの竜脚類恐竜の首の長さは、高い樹木の葉を食べるために進化したのではないかと考えられてきたが、2009年4月1日付のBiology Lettersのイギリス生物学雑誌に掲載された記事では、この仮説に疑義が呈されている。

 この記事を執筆した、アデレイド大学の進化生物学者、ロジャー・セイモア教授は、もし竜脚類恐竜が高所の餌を食べるために首を持ち上げていたら、脳に十分な血液を送るために、高い血圧を維持しなければならず、そのために消費されるエネルギーは、得られる餌のエネルギー量を上回るはずだと指摘。得られるエネルギーより、消費するエネルギーのほうが大きい採餌行為など考えられないから、竜脚類恐竜の首の長さは、高所の餌をとるために進化したのではない論じているのだ。

 確かに、マネンチサウルス級の竜脚類恐竜なら、首の長さは8~9mに達するだけに、この首を持ち上げた状態でも貧血にならないために、相当な高血圧を維持するというのは生存戦略上不合理と判断するのも理解できる(※下の画像は、ロンドンの自然史博物館のサイトから引用したマメンチサウルスのイラストだが、セイモア教授の説に従えば、こういうイラストも間違ってことになるんだろうな)。

Mamench  じゃ、なぜあんなにも首がなくなったのかっていう疑問は残ってしまう。

 現実に首の長い竜脚類恐竜がいた以上、ダーウィンの自然選択説に従えば、首の長さが生存戦略上、有利に働くような環境があったと考えられるわけだが、エネルギー消費の面から否定された、高所の餌を得るためという仮設以外に妥当な理由は何か考えられるだろうか。

 肉食恐竜などから身を守るため・・・? これは、ちょっと違うだろう。

 首の長さがメスへの求愛アピールとなって、フィーメイル・チョイスが働いた・・・? これもなさそうに思う。

 いずれにしても、今回の論文の発表で、今一度、竜脚類恐竜の首の長さについての論議が活発化し、その進化を後押しした理由についての研究が進められることを期待したい。

Biology Lettersのアブストラクト

http://rsbl.royalsocietypublishing.org/content/early/2009/03/31/rsbl.2009.0096.abstract?cited-by=yes&legid=roybiolett;rsbl.2009.0096v1

上記の論文をもとにしたAFPの記事

http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2588609/3988004

※上の写真は、以下のサイトより引用しました

http://www.nhm.ac.uk/jdsml/nature-online/dino-directory/detail.dsml?Genus=Mamenchisaurus