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カテゴリー「科学技術政策」の記事

2010年2月21日 (日)

文科省が次世代スパコン開発に関するフォーラムを開催するようです

 事業仕分けでは「限りなく見送りに近い縮減」と評決された次世代スパコンの開発ですが、実際の予算計上では40億円の縮減だけにとどまった一方、予算の使い方については大幅に変更になったことは、このブログでお伝えしたとおりです。

 単一のスパコンで世界最高の演算能力(10ペタFlopsでしたか・・・?)を目指すのではなくて、既存のスパコンとも連携して、スパコンの演算能力を必要とする多くの研究者に使ってもらえる「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)」を構築していくことになったわけですね。

 で、そのHPCIに関して、文科省がフォーラムを開催するようです。といっても、今回のフォーラムは一般向けのようで、スパコン研究の必要性を広く紹介しようってことなんでしょうか・・・。

 前述のとおり、事業仕分けでは「限りなく見送りに近い縮減」と評決されたにもかかわらず、40億円の縮減だけにとどまったことに対して、国民の理解を求めよってことなのかもしれませんね。

 というわけで、このHPCIにご興味のあるかはお出掛けになってはいかがでしょうか。どこかの雑誌で書かせてもらえるんなら、話を聞きにいこうかなぁ・・・。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/22/02/1290260.htm

 ではでは・・・。

2010年2月20日 (土)

次の事業仕分けに向けて、内部告発を募るようです

 昨年11月に開催された事業仕分けに関しては、科学技術関連予算が俎上に上がったこともあって、このブログでも何度となく取り上げ、私なりの意見を述べさせてもらいましたが、4月から新たな事業仕分けが行われるようですね。

 今回は公益法人、独立行政法人について論議されることになっており、科学関連でいれば、理研や産総研などの国立研究法人のあり方が議論されるものと思われますが、これに際して関係者(内部の人たちのことですね)からの「内部告発」を募集という話が、以下の毎日新聞などで報じられています。

 前回の事業仕分けでは、天下り役人が多数在籍している団体に資金が流れていることがはっきりしているような“問題”の事業については、各WGの統括を務める議員を筆頭に、仕分け人の人達も、舌鋒鋭く、各事業を担当する役人に質問していたんですが、なかには「建設的・・・」とは言い難い論議も多かったのも否めぬ事実でした。例えば、国際熱核融合実験炉(ITER)の関連予算の論議なんて、あまりの稚拙さに、仕分け人たちの勉強不足が露呈しましたからね。

 結果的に国際熱核融合実験炉(ITER)の関連予算は「仕分け断念」という結果に落ち着いたわけで、これを反省材料にしたのかどうかわかりませんが、今回は事前に内部告発を受けて、仕分けに臨もうってことなんでしょうね。

 でもねぇ、過去の仕分けの評価もせずに先に進まれてもなぁ~って思いもあるんですが・・・。

 仕分け断念になった国際熱核融合実験炉(ITER)の関連予算についてはともかく、仕分けの評決が出された事業についても、その後、予算計上でどうなったのかについてのアナウンスってぜんぜんされていませんよね。

 中には仕分け対象となった事業を担当する各省庁がアナウンスしているものもありまして、このブログで紹介したスパコンについては、「見送りに近い縮減」との仕分けの評価に反し、概算要求から40億円の縮減にとどまったことは紹介されていいますよ。でも、ほとんどのものは仕分けの評決だけが紹介されるだけで、実際の予算計上がどうなったのかはほとんど紹介されないままでしょう。これって問題があるんじゃないかなぁ?

 議員や役人だけじゃなく、民間の観点も加えて国の事業を評価するという事業仕分けは肯定的に評価するけれど、事業仕分けもまた、意義あるものなのかどうかは評価されてしかるべきだといえるでしょう。だったら事業仕分けの結果を受けて、実際の予算計上はどうなったのかも、行政刷新会議自らが自己評価しないといけないんじゃないでしょうか。

 というわけで、行政刷新会議のウェブサイトを覗いてみたけど、それらしいアナウンスはないようですねぇ(私が見つけられないからだけかもしれませんが・・・・)。

 事業仕分けを先に進ませるのはいいけど、過去の評価(時には反省も!)がないと、次の仕分けもトンチンカンなことになってしまいかねないですよ。

 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100217ddm002010038000c.html 

 それから、内部告発がある方はこちらまで・・・。

 http://www.cao.go.jp/sasshin/hatomimi/youkou.html

 追記

 事業仕分けも含め、ライフサイエンス関連の施策の懸念事項について、中川正春文部科学副大臣に取材したインタビュー記事が、22日発売のメディカルバイオ誌(オーム社)に掲載されます。良かったらご一読を!

 ではでは・・・。

2010年2月15日 (月)

研究者自ら研究費を点検 無駄はけっこうあったようです

 昨年11月に実施された事業仕分けは、科学技術関連予算が俎上に上ったため、多くの研究者にインパクトを与えたようですが、朝日新聞の報道によると、研究者自らが、研究費が効率よく運用されているかっどうかを調査し、多くの無駄があったと報告したようです。

 この調査を行ったのは、神経科学者組織の有志で、約170人が回答したアンケートで、9割が研究費の仕組みや使い方に無駄があると指摘したっていうんですよ。9割ですか・・・。すごい割合ですねぇ。

 で、その内容はというと、「(年度末に)研究費を使いきるように事務から指導が来る」、「不要な物品、高額機器を購入することも多々ある」、「輸入機器は中間マージンで現地価格の2~3倍、場合によっては4倍近い値段」などということなんですが、たしかに無駄があるようですねぇ。

 ただし、これって研究者が個人的にお大尽したくてやっているっていうことなんじゃないと思うけれど・・・。研究費を使いきるように指導されるなんてのは、研究機関内での研究費運用の制度上の問題でしょう。また、輸入機器の価格が高いっていう原因はよくわからないけれど、欧米のメーカーの製品を国内の代理店が販売しているから、どうしても中間マージンが発生して高額になってしまうってことなんじゃないかなぁ。

 なんか構造的な無駄といった感じで、これを研究者だけの責任にすることはできないように思うんですが・・・(中には研究費で自分のパソコンを購入していたなんて話はあるけど、こういう悪質な事例はアンケート調査ではあぶりだされないでしょうね)。

 そこで、記事では(というか、有志らの報告では・・・かな?)、研究機器の中古品のオークションなどを開催する研究者組織を作り、無駄をなくしていこうということまで提言されているんだけど、これって先の事業仕分けでなされた論議よりもずっと有意義な提言じゃないですか!

 もちろん、事業仕分けのような場で個別の研究室が購入した研究機器が有効に使われているかどうかなんてことまで指摘できるなんて思わないけれど、「購入した研究機器の有効活用はできていますか?」ぐらいのことは指摘できたんじゃないかなぁ(何かの研究施設の稼働率については指摘されていたけどね)。

 今年も4月から事業仕分けが行われ、理研や産総研のような研究開発法人のあり方も論議されるっていうじゃないですか。だったら、漠然と「無駄をなくせ」ではなく、研究現場で何が行っているのかをしっかり見据えた具体的な提言、そして論議を期待したいところですよ。

 いっそのこと、今回の調査で世話人をされた、藤田保健衛生大学の宮川剛教授に、仕分け人として参加してもらってもいいかもしれませんね。

http://www.asahi.com/national/update/0214/TKY201002140292.html

 ではでは・・・。

2010年2月 9日 (火)

事業仕分けで予算縮減となったはずのスパコンの開発なのですが・・・・

 昨年の事業仕分けでは、蓮舫議員の「2位じゃだめなんですか?」発言が、新聞やテレビのようなメジャーメディアでも取り上げられたことで、次世代スパコン研究が世間の耳目を集めたことが記憶に新しいことと思います。

 事業仕分けでは、「来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減」との表決結果が出されたわけですが(※)、このブログでも紹介したとおり、概算要求額から縮減されたのは40億円にとどまりました。

 このこと自体、事業仕分けが、いかに茶番劇、とまでは言いたかないけど、あんまり実のあるものじゃなかったことを示しているわけですが、研究現場は次々世代スパコンにまで話が進んでいるようです。

 詳しくは以下の神戸新聞の記事を読んでいただきたいのですが、理化学研究所が、現在、神戸のポートアイランドに建設中の次世代スパコンの約100倍の演算能力を持つ次々世代スパコンの開発を始める計画を明らかにしたっていうんですよ。

 研究計画は、理化学研究所基幹研究所の平尾公彦特任顧問(※※)が神戸市内で行った講演で明らかにされたもので、次世代スパコンを使って2010年度にスタートさせ、最終的には約100人の研究者が関わるとのこと。これだけの規模の研究ですから、当然、研究予算もそれなりでして総事業費は1120億円なんですって・・・。

 事業仕分けでは予算計上の見送りに近い縮減とまで表決されたものの、結果的に40億円の縮減にとどまったので、次々世代スパコンの研究予算についても目処がたっているんでしょうが、予算の縮減枠が40億円にとどまった背景には、単に世界1位のパフォーマンスを目指すだけでなく、既存のスパコンとも連携して、「革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ」を構築するってことに研究の方向性を転換したんじゃなかったかなぁ(※※※)。

 以下に示した(※※※)、中川正春・文部科学副大臣の記者会見でも、これまで1000人程度の研究しかアクセスできなかったスパコンに20000人の研究者がアクセスできるような体制を整え、そのコンピューティング・インフラを稼働させるためのソフトウェア開発も進めるって紹介しているわけでしょう。今回の理研の次々世代スパコンの研究計画ってちょっと違うような気がするんですよ。政府による予算の使途説明と、実際の使われ方が違うように思うのは私だけでしょうか・・・。

 まぁ、研究の方向性が違っても、日本のコンピュータ・サイエンスの進展につながればいいんだけど、世界1位のスパコンを開発することが自己目的化するのは望まれることじゃないわけですから、次々世代スパコンの開発とともに、より多くの研究者がスパコンの演算能力を活用して研究ができる体制の確立はきちっと進めていただきたいものです。

http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0002694450.shtml

http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov13kekka/3-17.pdf (※)

http://www.riken.jp/qcl/members/hirao/hirao.html (※※)

http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1288227.html (※※※)

 ではでは・・・。

2010年2月 5日 (金)

アメリカの有人宇宙探査計画が中止になりました

 新聞ではそれなりの扱いで紹介されたから、ご存知かと思いますが、NASAが進めていた有人月探査計画が中止になったようですね。

 日本でも科学技術関連予算が事業仕分けの対象となって、無駄だと判断されたGXロケットの開発が中止になっちゃいました(次世代スパコンや理研3事業は、事業仕分けの結論ほど削減されなかったようですが・・・)。いちおうエンジンの開発だけは進めるようですが、科学技術の研究開発は公的資金頼りなだけに、国の財政が逼迫した状態にあっては、夢やロマンだけでは研究は続けられないってことなんでしょう。

 となれば、アメリカ政府が「有人月探査は中止!」と判断するのも致し方ないのかもしれません。

 その代わり、国際宇宙ステーション(ISS)のほうが5年間の延長が決まったも報じられています。

 有人月探査では、夢やロマンを掻き立てられたとしても、実利的な研究成果が得られるのかどうか見えませんが、ISSなら、そこで実施された研究の成果は、医薬品開発などの実利的な研究にもいかせますからね。

 夢やロマンよりも、身入りを重視した科学技術政策ってことなんでしょうが、う~ん、せちがらいですなぁ。

http://www.asahi.com/international/update/0128/TKY201001280119.html

 ではでは・・・

2010年1月14日 (木)

川端文科省が、科学技術戦略本部を創設する方針を打ち出す

 以前、民主党政権の科学技術政策がよくわからんなぁ~ってことを書かせてもらったことがありますが、ようやく民主党独自の科学技術政策を進めるための組織を立ち上げるようですね。

 以下の日本掲載新聞の記事によると、川端達夫文部科学相が、科学技術政策担当相就任後の記者会見で、「科学技術戦略本部(仮称)」を創設するための関連法案を今秋の臨時国会に提出する方針を明らかにしたとのこと。この科学技術戦略本部は、科学技術政策の司令塔となる組織で、現在の総合科学技術会議を改組して、首相の下に2011年に立ち上げるという方針のようです。

 記事中で紹介されている川端文科相のコメントによると「戦略分野の設定、予算の確保と配分を総合的にマネジメントできる仕組みが必要だ」と語ったということなんですが、そもそも、そういった機能を持った組織、体制がこれまでなかったこと自体、まずいことですよね。

 本来、そうした役割は総合科学技術会議が担っていくべきものだったのかもしれませんが、過去、総合科学技術会議の議事録なんかを読んでいても、予算配分にまで言及する論議ってほとんどなかったものなぁ。今後、科学技術戦略本部は、単に日本が注力すべき科学技術分野(領域)の決定、つまり、科学研究の方針付けを行うだけでなく、「ライフサイエンスには●●億円、宇宙開発には●●億円、環境技術には●●億円・・・」なんて予算配分を決定する役割を担わせるようになるってことなんでしょう。となると、どういう人員が加わるのか・・・。これが重要ですよ。特定の分野に傾注した研究者(及び、その出身者)をスタッフにしてしまうと、自身のバックグラウンドとなる研究分野へ予算を配分しようとしてバランスを欠いてしまうかもしれませんからねぇ。今後の動向に注視していきましょうか。

 それから、この記事では、川端文科相が科学技術関連予算の増額に意欲を見せていることも紹介しています。具体的には2020年までに国の年間研究開発投資のGDP比で1%以上に引き上げる意向も示し、政府が6月にまとめる経済成長戦略に盛り込むことに意欲を見せたっていうんだけど、民主党って科学技術関連予算を削りたいのか、増やそうとしているのか・・・。よくわからないなぁ。

 まぁ、先の事業仕分けは、事業そのものの是非を問うというより、その事業の中の無駄を暴きだすということが目的だったのかもしれないけれど、なんか是非論になってしまった論議もありましたよね。実際、国民には科学技術の必要性を問う論議だったように映ってしまったと思うわけでして、となると今、このタイミングで川端文科相が科学技術関連予算の増額を示唆するっていうのに、疑問を感じる人もいるんじゃないかって思うんですが・・・。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20100108AT3S0701H07012010.html

 ではでは・・・。

2010年1月12日 (火)

政権交代の影響で「緊急支援」だったはずの研究費が宙に浮いたままだそうです

 自民党政権から、民主党政権へと変わったことで、その移行期のどたばたでいろんな政策の執行が遅れているようですが、科学技術関連の予算執行も遅れたままになっているようですね。

 111日付の読売新聞の報道によると、iPS細胞研究など、国際競争が激しい研究分野を支援するために、2009年度当初予算に計上された「革新的技術推進費」の60億円が、政権交代の影響を受けて執行できないままになっているというんですよ。

 この革新的技術推進費は、iPS細胞研究のほか、高効率の太陽光発電技術の研究開発など、5つの課題に配分される予定だったのですが、補正予算による最先端研究開発支援プログラムの発足を受けて、このプログラムとの重複採択を避けるため、革新的技術推進費の採択を、プログラムの採択決定後に順延していたら、政権交代が起こり、そのままになっちゃっているとのこと。

 じゃ、財政難でもあるので、この予算はいったん棚上げにするのかと思いきや、ただ宙に浮いたままのようで、JSTが運営する革新的技術推進費のウェブサイト(※)を見ても、昨年の7月時点で時間がとまったように更新が止まっています。

 現在の民主党の言い分だと、あらゆる予算の精査した上で、無駄な政策は停止し、執行すべきものは執行するってことだったわけですよね。それでも必要な政策を実施するための予算を計上したところ、十分な財源がないってことで、赤字国債を発行することになったと私は理解しているんですが、こうして宙に浮いたままの予算があるっていうのはどういうことなんでしょうか? 本当にちゃんと精査してくれたのかなぁ。

 最先端研究開発支援プログラムにしたって、予算の減額や、若手、女性研究者への支援枠の新設などが発表されて以降、プログラムのウェブサイト(※※)を見る限りは何らかの動きは見られないままですよ。こちらもどうなっているんだろう?

 個人的には政権が交代したことによる移行期の空白ということで、予算執行が遅れがちになることはいたしかたないとは思いますが、一端は計上された予算が執行されぬまま宙に浮いている状態っていうのはいただけないですね。そもそも、国際競争が激しい研究分野を支援しようとする予算の執行が遅れたたままっていうことは、研究の進展が政治的に送らされているといっても過言ではないでしょう。

 せめて現状を紹介すべく、ウェブサイトの更新はあってしかるべきだと思うんですがねぇ。

http://osaka.yomiuri.co.jp/science/news/20100111-OYO8T00244.htm

http://www.jst.go.jp/kakushinhi/index.html(※)

http://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/index.html(※※)

 ではでは・・・。

2009年12月22日 (火)

事業仕分けは若手研究者の進路にも影響しそうな気配です

 このブログで何度となく、事業仕分けについて取り上げ、私なりの考えを書かせてもらってきたわけですが、研究者の卵たちともいえる、東京大学の学生が、理系研究者を志望する同大学生にアンケートを実施したところ、実際に縮減が実施された場合、8割を超える学生が、進路の影響が及ぶと回答したというんですよ。

 詳しくは、以下の47newsの記事をご覧いただきたいのですが、調査は東京大学理学部物理学科4年生の有志が実施し、2133人から回答を得たとのこと。そのうち進路希望先が「大学などの公的機関の研究者」だと回答した946人に、育成資金の特別研究員制度が休廃止された場合、進路への影響を複数回答で聞いたところ、「研究者をあきらめることを考える」が347人(36.7%)だったというのですよ。

 その他、影響があるとした回答は、「今まで考えていなかった海外での活動を視野に入れる」が344人(36.4%)、「もともと海外活動を考えていたが、その可能性が増した」が282人(29.8%)で、「影響がない」と答えた者は156人(16.5%)にとどまったようです。

 まぁ、アンケートを実施した者も、回答した者も、事業仕分けに対するアンチテーゼを発しようとしていると思われるので、現実の印象よりも厳しい現状認識が示されたんだと推測できるけれど、3分の1超が「研究者をあきらめる」って回答しているのはけっこう深刻なんじゃないですかね。

 だって、回答しているのは大学生でしょう。東京大学に在籍しているということで、研究者としての将来展望が、現実味を帯びて、身近に感じられる環境にあることが関係しているのかもしれないけれど、大学生の年齢なら、状況が厳しくとも青雲の志を示すものなんじゃないかなぁ。それだけ事業仕分けは若い研究者の卵たちのモチベーションをも削いでしまっているということなんでしょうか・・・。

 ご存じのとおり、民主党は、マニフェストで子育て支援策や高校無償化の意向を示していますよね。2人の小学生の子供を持つ親としてはありがたい政策ではあるけれど、高校までの教育を手厚くしても、その先の研究活動の支援を縮小して、日本の国力が高まるかどうか・・・。こうして若い研究者の卵たちのモチベーションが削がれている現実が示されると、大いに心配してしまんですが・・・・。

http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009121401000497.html

 ではでは・・・。

2009年12月19日 (土)

理研、産総研などの研究分野の独法も改革の対象になるようですね

 民主党政権に移行して、科学技術関連予算もいろいろと議論の対象になっているわけですが、今度は、理化学研究所や産業技術総合研究所などの、現在、独立行政法人になっている研究組織の扱いについても、議論が始まったと時事通信が伝えています。

 詳しくは以下の時事通信の記事をご覧いただくとして、その内容を簡単に紹介しておきますと・・・、といっても、ようやく議論が始まったところで、具体的な制度設計は来年2月までに行うということのようです。

 例えば、現行の独立行政法人を「国立研究開発法人」(仮称)に移行させることを視野に(名前はどうでもいいですけどね)、所管省庁、予算、研究員人事、評価方法などの制度を改革していくようです。

 まぁ、組織自体はスリム化して全体の予算を削減しつつも、研究環境の充実を図るよう取り組みを期待したいところですが、こうなってくると研究を支援する法人の扱いも議論の俎上に上がってくるんじゃないですかねぇ。

 現在、研究者が研究のために使う研究費は、大学などの所属する研究機関から自動的に配分される予算以外は、外部の競争的研究資金を獲得するしかないわけですよね(もちろん企業からの寄付ってのもありますが・・・)。ただし、所属機関から自動的にもらえる研究費は決して多くはないのが実情のようで、競争的研究資金を獲得できないと、多くの研究者は研究活動を続けられなくなってしまうなんて話も耳にします。

 じゃ、そうした競争的研究資金を提供する組織にはどういったものがあるのかというと、日本学術振興会(JSPS)、科学技術振興機構(JST)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などがありまして、それぞれに特色をもった競争的研究資金制度を打ち出しています。

 個々の法人で多様な研究支援制度(支援枠)を走らせているので、あまり定型的なことは言えないんですが、誤解を恐れず書いてしまうと、JSPSは純粋な理学研究(応用を前提としない研究ですね)に対しても手厚いサポートをしている一方、NEDOは経済産業省系の独法だけに、実用化に近い研究を積極的に支援していますよね。

 となると、それぞれ独自のスタンスで研究活動を支援しているので、どの法人も必要だってことが言えるのかも入れませんが、その事務方については、専門的な知識が求められるわけではないので、組織を統合して、事務的なコストを圧縮するってこともできるかもいれませんねぇ。どうなんでしょ?

 まぁ、このあたりについては、私が云々する以前に、水面下であ議論が進んでいると思いますが、Googleでニュース検索した範囲では、今のところ何もひっかかりませんでした。唯一、「2ちゃんねる」に、「JSPSとJSTとNEDO統合」なんて書き込みがありましたが・・・。これが、今後の行く末を占うことになるかどうか・・・。どう思います? 

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009121400911

 ではでは・・・。

2009年12月17日 (木)

スパコン予算復活 でも、報道の仕方に疑問を感じてしまう

 すでにご存じかと思いますが、事業仕分けの対象になった次世代スーパーコンピュータの研究開発費ですが、一時期、凍結まで論じられていたのが、結果的に概算要求額から40億円減らした227億円で、予算計上されることに落ち着いたようですね。

 というわけで、今朝の朝刊には、各紙、予算復活の報道を展開しているわけなんですが、その報道ない世については、どうも腑に落ちないんですよ。

 といいますのも、今回、スパコンの予算の復活は、単に凍結されそうになったいたのを概算要求額から40億円減だけに留めたっていう話だけじゃなく、同じスパコンの研究をするにしても、そのスパコンを使う研究者にとってもっと使いやすい環境を整えるっていう体制作りを含め、抜本的に研究の方向性が変えられているんですよね。

 新聞各紙の記者が受けたレクが、どういう内容だったのかはわかりませんが、私が取材した範囲では、「日本の研究開発コミュニティにとって使いやすいハイパフォーマンス・紺ぴゅーティング・インフラを整備するんだという、研究コンセプトの抜本的な改革を前提にして予算を復活させた」と話されていました。

 要は演算能力で世界一のスパコンの開発を何がなんでも目指そうっていうのではなく、開発されたスパコンを活用する研究者にとって都合のよい研究インフラにするべく、予算が復活したわけで、予算額だけが報道されているのには閉口してしまいます。

 過去、このブログで書かせてもらってきたように、私の取材対象は科学全般ですが、専門はライフサイエンスなので、スパコンの開発が遅れることで、スパコンを活用して研究を進めるライフサイエンスの研究が立ち遅れることが心配してきました。その点では、心配は回避されそうなので、安心なんだけど、一方でこれまでのスパコンの研究開発に否定的だった人たちにとってみれば、予算額だけの報道だと、その意図が読めないですからねぇ~。

 実際のところ、事業仕分けは多くの人々の耳目を集め、通常はあまり大きく紹介されることのない科学技術関連予算まで、一般的なニュース番組でも大きく紹介されたわけですから、一時は凍結とされた予算が復活となったのなら、その背景にある研究コンセプトの改革についても紹介しないことには、事業仕分けの意義そのものが疑問視されてしまうんじゃないでしょうか。

 結局、次世代スパコンの開発については、事業仕分けを経て、本当に日本の科学研究の資するにはどうすればいいのかが論じられたという意味では、事業仕分けも、それなりに機能したのかなぁ~って思いますが、今回のように、ただ予算額だけが報じられるようであれば、その背景にある論議が見えてこないんですが・・・。どうなんでしょうか・・・。

 ではでは・・・。

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