2016年7月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ

カテゴリー「自然保護」の記事

2010年1月16日 (土)

象牙の違法取引が急増。押収量は過去2番目だったそうです

 絶滅の危機に瀕する野生動物の国際取引は、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(CITES 以下、通常「ワシントン条約」と表記します)で厳密に規制されているはずなんですが、今なお密輸は横行しているようで、近年、象牙の違法な取引が増加していると共同通信の47Newsが報道しています。

 詳しくは以下の記事をご覧いただくとして、簡単に記事内容を紹介しておきますと、野生生物の国際取引を関している環境NGOのトラフィックの調査によると、違法な象牙の取引は2004年以降、増加傾向にあり、特に2009年に急増。8月の時点で、押収された象牙の量は、1989年以降、2番目の多さで、トップに迫る勢いだったそうです。

 調査の報告書は、3月に開催され、象牙の国際取引について論議されることになっている、ワシントン条約の締約国会議に提出されるようですから、議論にも影響するでしょうね。

 でも、象牙の違法取引が増えているっていうのは、日本の責任も重大ですね。もちろん、世界中で象牙を輸入しているのは日本だけじゃないわけですが、大半は日本と中国が消費しているわけですから、日本も積極的に違法取引を撲滅する体制づくりを進めないことには、国際世論の反感を買うことになってしまうと思いますよ。

 http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010010701000149.html

 ではでは・・・。

2009年8月19日 (水)

海の外来生物 法規制ってどうやってやるの?

 陸上、淡水に定着してしまった外来生物については、外来生物法(正式名称は「特定外来生物による生態系等にかかわる被害防止に関する法律」)が施行されたことによって、販売、移動、飼育が禁じられています。これにより新たな生息域の拡大を抑える手立ては打たれたわけですが、海の外来生物については法規制は整っていないと、朝日新聞が紹介しています。

 海の外来生物については、これまで東邦大学の風呂田利夫さんが問題提起をされてきたので、イッカククモガニ、チチュウカイミドリガニ、アメリカフジツボ等の問題はしばしば耳にしてきました。ただし、「問題になっているんだなぁ~」ってぐらいにしか認識していなかったから、どれほどの種数の外来生物が侵入してきているのかわからなかったんですが、この朝日の記事では、100人を超える研究者が協力し、7年をかけてデータをまとめたところ、日本の沿岸海域に侵入した外来生物は76種にのぼり、このうち36種は完全に定着していると紹介しています。

 ブラックバスのように一種類が侵入しただけでも、侵入先の生態系が撹乱されてしまう可能性をもった生物がいる一方、侵入、定着の事実が確認されていても、外来生物法の指定種にならないような生物もいるので、76種類という数字を評価するのは難しいわけだけど、朝日新聞の記事を読む限り、データのとりまとめに加わった研究者は強い危機意識を持っているようですね。

 じゃ、外来生物法を海の生物にも拡大適用できるようにすればいいのかもしれないけれど、今回、問題視されている海の外来生物は、意図的に持ち込まれたものだけじゃないわけでしょう。

 養殖用に持ち込まれたもの(28種)、輸入されたものが逃げ出したもの(15種)については、外来生物法の指定種にして、人間の行為を規制すれば、新たな侵入は抑えられるのかもしれません。でも、船舶に付着したり、バラスト水に紛れ込んで侵入したもの(29種)に関しては、外来生物法によって人間の持ち込み行為を規制するだけでは対応できないんじゃないでしょうか。

 バラスト水については、未発効のままのようですが、バラスト水管理条約(International Convention for the control and management of Ships' Ballast Water and Sediments)があるので、これを発効させれば、ある程度、バラスト水によって運ばれる外来生物の侵入を抑えることも期待できのでしょう。ただ、以前、バラスト水問題については取材したことがあるんですが、技術的にはけっこう難しいそうですね。それに、船舶への付着ってことになると、規制しようがないんじゃないでしょうか。

 朝日新聞の記事では、「新しく入り込むのを防ぐ手立てが必要だ」との一文で締めくくられているのには、「ごもっとも!」としかいいようがないんだけど、具体的にどうすればいいのか・・・。どういう対策があるのか、具体的に提示してもらいたかったなぁ。

http://www.asahi.com/science/update/0812/TKY200908120140.html

http://www.asahi.com/science/update/0812/TKY200908120140_01.html

 ではでは・・・。

2009年7月12日 (日)

アメリカ自然史博物館が絶滅危惧種の遺伝子の保存事業を開始ました

 生物の遺伝子資源を保存する事業では、古くから植物の遺伝子サンプルとなる種の保存事業がすすめられてきました。例えば、イギリスのキュー王立植物園のシードバンク(種銀行)は有名ですが、日本でも農林水産省所轄の研究所で、農業品種のシードバンク事業が進められていますね。

 じゃ、種として保存できない野生動物はどうかっていうと、Technobahnに、アメリカ自然史博物館とアメリカ国立公園局が、絶滅危惧種の体細胞を収集し、液体窒素で冷却保存する事業を開始したと報じています(以下のサイトをご参照ください)。

 動物園では、ズーストック事業として、生きた個体の継代繁殖を進め、遺伝子資源の保存を進めていますが、これでは飼育できる個体数に限界があるため、同一種類内での遺伝的な多様性の確保には限界があります。その点、体細胞としての保存なら、保存できる遺伝子サンプル数は飛躍的に向上するわけで、遺伝的多様性の確保も期待できますね。

 日本も環境省の委託を受けて、国立環境研究所が、遺伝子サンプルの保存事業「環境資料タイムカプセル」を進めているようですが、どれほど進んでいるんでしょうか。保存資料のリストは公開されていますので、念のためウェブサイトのアドレスを紹介しておきます(※※)。

 過去の報道(※※※)では、トキ、ツシマヤマネコ、リュウキュウアユなどの絶滅危惧種のサンプルを保存していくと紹介されているし、カプセル事業のサイトでも、そのことを謳っているんですが、公開されている保存資料のリストは、環境資料ばかりなんです。できれば、絶滅危惧種の保存状況も公開してもらいたいところですが・・・。

http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200907081635&lang=

http://www.nies.go.jp/timecaps1/ (※※)

http://www.japanfs.org/ja/pages/023467.html (※※※)

 ではでは・・・。

2009年6月16日 (火)

生物多様性をかく乱しているのは外来生物だけじゃないんだけどなぁ

 外来生物法関連でブラックバス論議が活発だった頃、新聞やテレビといった、いわゆる“マスメディア”でも外来生物の問題はよく紹介されていた。しかし、外来生物法が制定されて以降、紹介すべき新たなニュースはないと判断されているのか、マスメディアで外来生物の問題はあまり紹介されていない。

 ところが、6月9日付の中日新聞に、外来種の問題を報じる記事があった。記事自体は、5月22日が国連が定めた「国際生物多様性の日」であったことと、来年、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が、名古屋で開催されるということで、地元の中日新聞が記事にしたんだろうが、つい「なんか久しぶりのテーマだな」と思ってしまったので、このブログでも、外来生物問題に触れてみたい。

 記事の詳細については、以下のサイトをご覧いただくとして、大まかな内容を紹介しておくと、外来生物によって日本の生態系がかく乱されるよ・・・っていう、スタンダードな外来生物論の展開に終始しているのだが、この記事で目立つのが、「多様性」という言葉だ。記事のタイトルにも盛り込まれているし、記事の後半「記者のつぶやき」と題されたコーナー(といっていいのかな?)でも、「生物多様性は浸透度が低いが、重要なテーマだ」と述べている。

 だけどね、生物多様性の問題を指摘するなら、その原因を外来生物だけに求めるのはちょっと視野が狭すぎるだろう。

 もちろん、無秩序な外来生物の持ち込みが大きな問題であるのは間違いないし、生態系をかく乱し、近縁の在来種がいれば、交雑による遺伝子汚染のリスクも見逃せない。ただし、こうした問題が外国から持ち込まれた生物だけでなく、国内移入種でも起こることがある。その点がまったく触れられていない点には大いに不満を感じてしまう。

 まぁ、移入種による生物多様性のかく乱問題となると、その原因が外来種に集約されてしまうのは、この記事に限った話ではないので、この記事だけをあげつらうのはアンフェアだと思うので、以下は一般論として読んでもらいたいのだが、生物多様性の問題を語る上で、国内移入種の存在はあまりにも無視されているのではないか。

 例えば、毎年6月になると、各地の川でアユの友釣りが解禁になるが、天然のアユだけで押し寄せる太公望に楽しんでもらえるだけの釣果を期待することは難しい。そのため、ほとんどの川(遊魚料を取っている川なら「すべての川」といってもいいだろう)で、稚アユの放流が行われている。

 では、その稚アユはどこから来るのかといえば、かつてはかなりの割合(7割を占めていたという)で琵琶湖産のものが放流されていた。最近でこそ、琵琶湖産の稚アユの放流は激減したというのが、それでも同一水系のものに限って放流している河川って聞いたことがない(もし、生物多様性の保全を意識した同一水系の稚アユしか放流していないって川があったらご教授願いたい)。

 日本全国、同じアユなんだから問題はないだろうと思われるかもしれないが、遺伝的に水系分化が少しは進んでいる可能性は否定できない以上、琵琶湖産の稚アユが各地で放流されることは、生物多様性をかく乱することになるだろう。

 同じことは、渓流釣りの対象魚種となっているイワナでも言えるのだが、長々と書き連れらねてしまったので、イワナのことは、また別の機会に譲るが、生物多様性を保全しておこうとすると、外来種だけを問題視しても、不十分であることは間違いない。

 というわけで、今回は、久々に外来種問題の記事を新聞で読む機会があったので、思うままに書いてみた。

http://www.chunichi.co.jp/article/technology/science/CK2009060902000127.html

 ではでは・・・。

2009年6月13日 (土)

マグロの小型魚が豊漁 マグロ資源へのインパクトは大丈夫なのか?

 先ほど、Yahooのトップニュースにも挙がっていたので、ご覧になった方もいらっしゃるかと思うが、マグロの小型魚が豊漁だという。

 ソースは、時事通信の記事なので(以下をご参照ください)、簡単に記事内容をご紹介しておくと、6月上旬から日本海などでの定置網による漁獲が好調で、さらに巻き網の漁獲量も加わり、マグロの供給量は急増しているというのだ。その結果、卸売価格も2割程度下落したようで、消費者にとってはありがたい限りだが、ちょっと気になるのが小型魚の豊漁によって、マグロ資源へのインパクトだ。

 今回、豊漁になっている小型魚は、メジマグロ、ヨコワと呼ばれる4~5Kgの若魚で、未成熟の個体だ。その若魚が豊漁と言うことは、将来、次世代の生産する親魚になる魚を獲っているということになるので、マグロ資源へのインパクトは大丈夫なのかと心配になってしまう。

 残念ながら、時事通信の記事では、そうした水産資源保護の観点での言及はない。もしかしたら、今回の豊漁程度では大きなインパクトにならないほど、マグロ資源が回復しているというなら、私の心配はただの杞憂なのだろうが、IUCNのレッドリストに掲載されるほど、クロマグロの資源量は枯渇に向かっていると言われてきただけに、今回の降って沸いたような若魚の豊漁の報道を受けても、資源管理上、問題あるんじゃないかなぁ~って思ってしまうのだが・・・。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200906/2009061300061

 ではでは・・・。

“海の森プロジェクト”ってなんだかなぁ・・・

 「海の森プロジェクト」ってご存じだろうか。

 東京湾に浮かぶ埋め立て地に植樹を進め、美しい森を作ろうとするプロジェクトで、東京都が推進している。建築家の安藤忠雄氏が委員長になっているようで、環境にはよさそうだっていう印象を与えるプロジェクトに見えるんだけど、どうも釈然としないものを感じてしまう。

 詳細は、以下のサイトをご覧いただきたいのが、このプロジェクトの概要を紹介したページ(※)の一部を引用すると、「都市活動の結果に生じたゴミと残土の島を、植樹活動により海に浮かぶ美しい森に生まれ変わらせる循環型社会のシンボル」ってことなんだそうだ。

 だけどね、よく考えてもらいたいんだけど、いくら美しい森を作ったって、それは自然を破壊した結果である埋立地の上にできるものであって、自然に戻したことになるわけじゃない。自然に戻すんなら、埋立地を破壊し、本当の意味での“海の森”であるアマモの群落(アマモ場)を回復させるぐらいのことはやってもらいたい。

 というのも、この海の森プロジェクトのことを知ったのも、アマモのことを調べようとして、「海の森」をキーワードに検索したところ、ひっかかってきた。最初は、「へぇ~、東京都のアマモ場の再生事業を始めようとしているのか・・・」と早合点して、以下のサイトの説明を読み始めたのだが、その期待はもろくも裏切られてしまったというわけだ(裏切るもなにも、こちらの勝手な思い込みによる期待だったわけだが・・・)。

 本気で循環型社会を目指そうというのなら、こういう埋め立て地は、「もう絶対に作っちゃいけない」という教訓にするために、不毛な大地のままにしておいたほうがいいと思う。そのほうが、ゴミを出すことの意味を市民に知らしめる意味でも大きな意味があるんじゃないだろうか。

 そりゃ、不毛の埋め立て地よりも、緑の森が作られたほうが見た目にはいいっちゃいいんだが、「これでいいんだ」って思われると、環境保全、自然保護に対する理解をすごくゆがめた形で深めてしまうことになるように思えるのだが・・・。

 最近では、人間による開発の影響を可能な限り緩和する“ミティゲーション(mitigation)”という概念が知られるようになって、日本でも代償行為にフォーカスした取り組みが検討されている。本来、ミティゲーションは、代償行為(代償ミティゲーション)に限った話ではないので、これ自体、問題はあるのだが、この海の森プロジェクトは、海を埋め立てた開発の上に、海にはない森を作ろうっていうんだから、代償ミティゲーションにもなっていないと言えるだろう。

 さすがに、以下のサイトでも「海の森プロジェクトで自然保護を進めます」なんて、突っ込みが入りそうな説明はしていないけれど、「海野森には人間や都市と自然との共生を願う日本人の自然観が反映されています」なんてことが書かれているのには閉口してしまう。

 確かに、日本では、伝統的に自然を利用しながらも、独自の多様性を維持することができる“里山”を作り上げてきたわけで、人間の営みと自然とを共生させることは、日本人の自然観の中に備わっている価値観だとは思うが、だからといって大規模に埋め立てした土地に森を作ることと同次元に考えるのは無理があるだろう。

 結局、なんとなく環境にいいことそうに見える活動でしかないってことだと思えてしまうのだ。

http://www.uminomori.metro.tokyo.jp/index.html

http://www.uminomori.metro.tokyo.jp/outline_top.html(※)

 ではでは・・・

海の森には人間や都市と自然との共生を願う日本人の自然観が反映されています。

2009年4月15日 (水)

経済刺激策だけじゃなかった、オバマの環境政策

 就任以来、矢継ぎ早に経済政策を打ち出すオバマ大統領だが、彼の経済刺激策の中心となっているのが、「グリーン・ニューディール」と呼ばれる環境産業の創出であることは、多くの方がご存知であろう。

 自然エネルギー産業への支援や、環境対応型の新型自動車の開発へのサポートに加え、「マイクロ・グリッド」といった電力供給とIT技術を融合した新たなエネルギービジネスの創出も加えられている。

 こうした政策自体は、環境政策に後ろ向きだったブッシュ政権と比べると、大きな前進と思えるが、少し気になっていたのが、「オバマにとって、環境政策にとって経済刺激策の一環でしかないのか?」ってことだった。

 まぁ、世界的な経済危機の中、経済刺激策を提案し続けなければならない点は十分に理解できるが、本来、環境政策は経済活動を規制することのほうが多いものだ。有害な汚水を垂れ流す工場の操業を停止させたり、環境を破壊してしまった企業には罰金を支払わせるための法律を立案するなど、経済活動への規制こそ、環境政策の本質と言っても過言ではないだろう。

 そのため、経済刺激策としての環境政策ばかりが打ち出されるオバマ政権の動向に、少なからず疑問を感じていたわけだが、先日、インターナショナル・ウルフ・センターのウェブサイトにアップされたニュースなどが、オバマ大統領は野生生物の保護地域の拡大させる法案に署名したことを報じているため、このブログでも、この話題に触れてみたい。

 この法案はOmunibus Public Land Manegament(OPLM) Act of 2009(日本語では「2009年包括公有地管理法」と訳されるようだ)と呼ばれるもので、この法案の中で最も注目しているのが、保護地域の拡大だ。インターナショナル・ウルフ・センターの記事によると、カルフォルニア州、コロラド州、アイダホ州、ミシガン州、ニューメキシコ州、オレゴン州、ヴァージニア州、ウエストヴァージニア州の国有地に新たに210万エーカーの保護地域を設置するというではないか・・・。

 日本の国立公園と違い、アメリカの場合、保護地域に指定されると、そこでの経済活動は大幅に制限される。ホテルやお土産屋など、一部の観光事業は許されるものの、農林業や鉱物の採掘業などは厳格な規制を受けることになり、ほぼ不可能になると言っていい。つまり、こうした保護地設定は、経済活動への打撃に当たるのだ。

 実際、インターナショナル・ウルフ・センターの記事でも、「土地をエネルギー産業に利用しようとしている者たちにとっては失望となった」と論評している。

 現在のような経済危機の真っただ中にあっては、経済刺激策一辺倒になりがちだと思えるが、OPLMへのサインを考えると、オバマ政権が、経済刺激策としての環境政策にのみならず、純粋に環境保全を行うための政策を実施しているという点は大いに評価できるだろう。

 この点で、前述の私の疑問(というか危惧)は一応払拭された。今後のオバマ政権の環境政策に期待したい。

http://www.wolf.org/wolves/news/live_news_detail.asp?id=4080

 ではでは・・・。