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カテゴリー「博物館」の記事

2009年7月12日 (日)

アメリカ自然史博物館が絶滅危惧種の遺伝子の保存事業を開始ました

 生物の遺伝子資源を保存する事業では、古くから植物の遺伝子サンプルとなる種の保存事業がすすめられてきました。例えば、イギリスのキュー王立植物園のシードバンク(種銀行)は有名ですが、日本でも農林水産省所轄の研究所で、農業品種のシードバンク事業が進められていますね。

 じゃ、種として保存できない野生動物はどうかっていうと、Technobahnに、アメリカ自然史博物館とアメリカ国立公園局が、絶滅危惧種の体細胞を収集し、液体窒素で冷却保存する事業を開始したと報じています(以下のサイトをご参照ください)。

 動物園では、ズーストック事業として、生きた個体の継代繁殖を進め、遺伝子資源の保存を進めていますが、これでは飼育できる個体数に限界があるため、同一種類内での遺伝的な多様性の確保には限界があります。その点、体細胞としての保存なら、保存できる遺伝子サンプル数は飛躍的に向上するわけで、遺伝的多様性の確保も期待できますね。

 日本も環境省の委託を受けて、国立環境研究所が、遺伝子サンプルの保存事業「環境資料タイムカプセル」を進めているようですが、どれほど進んでいるんでしょうか。保存資料のリストは公開されていますので、念のためウェブサイトのアドレスを紹介しておきます(※※)。

 過去の報道(※※※)では、トキ、ツシマヤマネコ、リュウキュウアユなどの絶滅危惧種のサンプルを保存していくと紹介されているし、カプセル事業のサイトでも、そのことを謳っているんですが、公開されている保存資料のリストは、環境資料ばかりなんです。できれば、絶滅危惧種の保存状況も公開してもらいたいところですが・・・。

http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200907081635&lang=

http://www.nies.go.jp/timecaps1/ (※※)

http://www.japanfs.org/ja/pages/023467.html (※※※)

 ではでは・・・。

2009年4月25日 (土)

群馬県立自然史博物館、お勧めです

 いつもはお堅い科学の話題ばっかり書いているので、たまには博物館へのお出かけガイドなんてのも書いてみようと思います。先日、アップしたJAXAの筑波宇宙センターの特別公開の記事をアップしたら、アクセスが伸びたって言うのも関係しているんですけね。

 さて、今回、紹介するのは群馬県高岡市にある群馬県立自然史博物館です。

Dsc_3152_3  「自然史博物館」の名にふさわしく、生物の進化の歴史をわかりやすく紹介しており、県立規模の博物館にしては、恐竜の化石の展示物も充実していますから、お子さん連れにはうってつけなんじゃないでしょうか。

 それに、あまり紹介される機会が少ない、哺乳類の古生物Dsc_3166 の化石の展示も充実しているのもいいですね。コロンビア・マンモスの巨大な化石は注目です。

 群馬県立ということもあって、群馬県の自然の紹介も積極的に行っているのですが、尾瀬の自然を紹介する「尾瀬シアター」にはちょっと苦笑してしまいました。初めて出かけたときは、平日の昼間で、私一人だったんですが、内容が子供向きに作られているので、見ていてはずかしくなってしまいました。土日なら、終日、上映しているのかもしれませんが、平日で、観覧者が少なかったためか、職員に「見せてください」ってお願いして、上演してもらう んですが、途中で退席したときは、ちょっと気まずかったです。Dsc_3181

 2階に上がると、「ダーウィンの部屋」というコーナーがあり、かつての博物学者の研究質を模した展示になっています。一応進化論の展示になっているんですが、あまり進化と環境との関連を示すような展示になっていないようにも思いますが、あまり細かいことを言う のはよしておきましょう。

 そうそう、決して派手な展示ではありませんが、人間を含めた霊長類の展示はなかなか見ごたえがありますし、ホッキョクグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、マレーグマのはく製を並べて「ベルクマンの法則」(暖かいところに住む動物より、寒いところに住む動物のほうが大きくなる という法則)をわかりやすく示しているのもいいですね。

 大人だったら、Dsc_3205_3 理屈で理解できることでも、子供はちょっと理解しにくいってことがあるんですが、こうやって分類学上、同じグループに属しながらも、地域(暑さ、寒さ)によって体のサイズが違ってくるということを示すと、実にわかりやすいと思います。

 群馬県といっても、東京からだと2時間ぐらいでアクセスできますし(休日の渋滞は無視しています)、近くには富岡製紙場、妙義山といった観光スポットもありますから、東京からの1日のお出かけには最適なエリアなんじゃないでしょうか。

 少し離れていますが、JR横川駅に隣接した「碓井峠鉄道文化むら」も、お子さん連れのファミリーには(もちろん道好きのお父さんにも)お勧めです。

http://www.gmnh.pref.gunma.jp/view/servlet/MuseumTop

 ではでは・・・。

 

2009年4月20日 (月)

日本科学未来館の新しい展示を見に行ってきました

 この4月から、日本科学未来館の3階の常設展示が全面リニューアルされたと聞いて、見に行ってきました。

 展示の内容は、これまで研究者たちが、どういったアプローチ(発想)で革新的な技術を生み出してきたのかを、それぞれの道筋で示しています。飛行機(グライダー)の羽根の形状の開発が、抗生物質ペニシリンの開発といった、過去の様々な技術革新を、「むすびつける」「くみあわせる」「ひらめく」「みならう」「きりかえる」という、わかりやすい5つのキーワードによって分類して、それぞれの技術革新にたどり着くようなディスプレイになっています。

 例えば、「みならう」の流れでは、グライダーの羽根の形状の開発が示され、空を飛ぶために鳥の羽根の形状をまねたことを題材に、自然を見習う(見倣う)ことで、その技術革新ができたということが展示されています。

 こうした自然物の形や機能を参考にする研究のアプローチは、最近ではバイオ・ミメティックスなどと呼ばれ、研究分野としても確立した観がありますが、飛行機の羽根の形状の開発のように、古くから科学研究の重要なアプローチの一つであったことがわかるようになっています。

 私自身、サイエンスライターとして、有象無象の科学研究の成果を紹介する際、どういった“括り方”で紹介するのかっていうのは、いつも頭を悩ませています。「免疫学」とか、「遺伝学」とか、「細胞工学」などと、元々、研究領域に分かれた話をまとめるだけであれば決して難しい話ではありませんが、これではあまり魅力的な記事とはいえません。

Dsc_3106  だからこそ、常に一般の方々に興味を持ってもらえるというか、琴線に触れるような見せ方、伝え方の工夫を心がけているのですが、日本科学未来館の新しい展示は、実にすばらしいと思います。

 展示の全体像は、「こんなことあったらいいな」思える言葉があらわれる“願いの泉”を源泉(写真)から始まります。これを起点として、さきに紹介した5つのアプローチの川を流れて、生み出された技術によって豊かになった現代社会を示す“豊饒に海”に至るという展示デザインになっているのですが、これには溜飲を下げるしかありません。いや、本当にすごいと思いますよ。

Dsc_3108  まぁ、ここに書いていることは、私が感じたことなので、日本科学未来館の展示開発のスタッフのみなさんの想いは別のところにあるのかもしれません。ですので、まず、一度は日本科学未来館に出向き、展示を体感していただきたいと思います。

http://www.miraikan.jst.go.jp/exhibition/ex2/innovation.html

 ではでは・・・。

2009年4月15日 (水)

シドニーに人間の病気を展示する博物館がオープン

 ここ数年、日本を循環している「人体の不思議展」ってなかなかの人気のようだ。

 あぁいった人体標本はどうも苦手(というか、剥製以外の動物の標本自体が苦手)なので、首都圏で開催された時も、私は出かけることはなかったが、こういった標本に興味がある方にとっては打って付けの博物館が、この3月、オーストラリア、シドニーに開館した。

 この博物館は、ニューサウスウェールズ大学内に設置された、Museum of Human Desease(人間の病気博物館)。もともとは医学部生のための資料館だったようだが、限定的ながら一般にも公開されるようになったようだ。

 海外ではタバコのパッケージにも印刷されているので、見る機会も多くなった、喫煙者の黒ずんだ肺のほか、関節炎で変形した脚など、人間の病気に関する様々な標本が展示されているという。

 こうした展示物だけをあげつらうと、なんとも悪趣味な博物館のように思えるが、ニューサウスウェールズ大学のニュースサイトによると、博物館マネージャーのロバート・ラウンズタウン氏は、「標本を見学してもらえれば、健康の重要性を理解できるはず」と語っているようだ。

 博物館として開館したものの、医学部生のための資料館として機能しているため、一般への効果時間は限定されており、個人での訪問の場合、平日の午後3時~午後5時に限られている。詳しくは、以下のサイト(※)をチェックしていただきたい。

ニューサウスウェールズ大学のニュースサイト

http://www.unsw.edu.au/news/pad/articles/2009/mar/Museum.html

Museum of Human Deseaseのインフォメーション(※)

http://medicalsciences.med.unsw.edu.au/SOMSWeb.nsf/page/MoHD+Public+Visits

 ではでは・・・。