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カテゴリー「科学教育」の記事

2009年5月15日 (金)

茨城県の高校が原子炉研究施設を使って実験をする?

 スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)をご存知だろうか。文部科学省が科学や数学に力点を置いた教育を実施する高校を指定する制度で、2002年から開始され、2007年度までに101校が指定されている。

 といっても、私自身、SSHの取り組みを取材したことがなかったので、科学や数学の授業コマ数を増やしたカリキュラムを組んでいる程度なんだろうと思っていたが、SSHの活動に関して、毎日新聞が興味深い記事を掲載しているので紹介したい。

 いつもながら、詳しくは以下のサイトをご覧いただきたいのが、記事によると茨城県立日立第一高等学校が、生徒たちに中性子線を用いて物質の内部を見る実験「放射線透過試験」を日本原子力研究開発機構(JAEA)の協力の下、「JRR-3」と呼ばれる研究炉で行うことを計画しているというのだ。

 あくまでも準備中というニュアンスの記事になっているが、こうして記事として公表されるということは、日立一校とJAEAの間では、「実験をするってことで・・・」という大枠の合意には至っているのだろう。

 まぁ、高校生であっても、こうした研究施設を使った実験に携われるのはいいことだと思う(といっても、18歳未満は放射線管理区域には立ち入れないため、実験はJAEAのスタッフが行い、高校生は、その解析を行うだけのようだが・・・)。

 ただし、この記事を読んでいて、疑問に思うのは、この取り組みが高校生自らの意向によって始まったことなのか、学校側がさせようとしていることなのかがよくわからない。記事の冒頭で「茨城県立日立一高(同県日立市)が、(中略)原子炉を使った実験を生徒にさせる計画を進めている」と書かれているため、日立一高の先生の主導の下、この取り組みが進められているように理解される。

 いちおう、「実験するのは同校SSHクラスで中性子などを研究テーマに選んだ3年の男子生徒3人」とも紹介されているので、生徒たちも素粒子物理学に興味があるようだが、学校側がすべてをお膳立てしているのなら、ちょっと興ざめしてしまう。

 高校生から自発的に「JAEAの研究施設を利用した実験をしてみたい」というような発想が出るのを期待するのは酷な話かもしれないが、ひっかかってしまうのだ。

 記事では、日立一高の鈴木幸男校長のコメントが紹介されており、「高校生の枠を超えた機会を与え、幅広い勉強をさせたい」と語っているようだが、本当に科学する心を育てるのは、機会を与えることではなく、そうした機会を生徒自らが欲する気持ちを育てることなんじゃないかって思うのだが、いかがだろうか。

 まぁ、この件については、記事を読んだだけなので、実際は生徒が自発的に希望したことに、日立一高の先生が応えて、尽力した結果、実験できるようになったのかもしれないので、これ以上の批判はやめておくが、今回の取り組みだけで終わるのではなく、3人の男子生徒がJRR-3で実験を行ったのを機に、他の生徒たちも、「僕たち、私たちも最先端の研究施設で実験、研究をしてみたい」と思って、自発的に自分たちの研究を申し出るぐらいになってもらいたいものだ。そうした時に学校側が、生徒の希望をどう受け止めるのかが、今後問われていくんだと思う。

http://mainichi.jp/select/science/news/20090512k0000e040070000c.html

 ではでは・・・。