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カテゴリー「進化論」の記事

2010年2月 3日 (水)

飛べない鳥の祖先は飛んでいたって新説が発表されました

 ダチョウやエミューなどの飛べない鳥に関して、National Geographic Newsで興味深い学説を紹介しています。

 詳しくはいつも通りに以下のウェブサイトをご覧いただきたいのですが、ダチョウやエミューなどの飛べない鳥は、その祖先から飛べなかったとうのが長らく定説となっていたところに、オーストラリア国立大学のマシュー・フィリップスがまったく異なる新説を唱えているとのこと。今から6500万年前以前は、ダチョウやエミューの祖先も空を飛んでいたものの、白亜紀末に恐竜が絶滅したことで、地上で生活しても捕食されない新しいニッチ(生態的地位)が生まれ、飛ばなくてもよくなったので、飛ばなくなったんだそうです。

 まぁ、恐竜が絶滅していなくなれば、その空いたニッチに収まるように別の生物が進化するのは当たり前と言えば当たり前なんですが、だからといって飛べない鳥の祖先が飛んでいたとするのは、状況証拠としても弱すぎますよね。もちろん、こんな状況証拠だけで新説を唱えているわけではないようで、系統進化に基づいて新説を唱えているようです。

 まず、かつてニュージーランドに生息しており、すでに絶滅しているモアの化石からDNAを採取し、これを詳細に分析。現生の鳥類と比較したところ、南米に生息している、ほとんど飛ぶことができないシギダチョウと最も近縁であることがわかったそうです。

 では、モアが生息していたニュージーランドは、かつて南米大陸、オーストラリア、南極大陸が一緒になった巨大な大陸ゴンドワナの一部だったものの、8000万年前に分離しました。ニュージーランドがゴンドワナから分離する以前にはモアはいなかったわけだから、ニュージーランドの分離後に、南米大陸にいたモアとシギダチョウの祖先が、海を越えてニュージーランドに渡ったと考えるのが妥当だってことのようです。

 さらに、フィリップスは、共通の飛べない祖先から、ダチョウ、エミューなどの原生の飛べない鳥に分岐していったと考えられている旧説に対して、今回の研究で、個々の飛べない鳥が個別に進化してきたとも唱えているようで、なかなか興味深い仮説になっています。

 National Geographic Newsの記事では、Systematic Biology誌に原著論文を発表していると紹介しています。さっそくSystematic Biology誌のウェブサイトを覗いてみたところ、購読者ではなくても、Full Textを読めるようになっていますので、ご興味のある方はチェックしてみてください(※)。

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100202002&expand

http://sysbio.oxfordjournals.org/cgi/content/full/59/1/90 (※)

 ではでは・・・。